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「そんなに不貞腐れないで、ジョンイン。」
横に座るAに笑われる。
ステージなら、何回も見てるんだ。
ここにこうしてこいつと並んで。
回数を重ねる度にセフンは凄いと思うし、その感想は変わらないのに。
これ以上何を学べって言うんだ。
そもそも…そうだ。
「おい、A。」
「いつになったら俺は踊れる訳？」
「うーん…オッパから許可が出ないと何とも…」
「はぁ…。お前、詐欺師だな。」
「あ、セフン出てくるよ。」
チッ。
話逸らしやがって。
でも一瞬で変わった空気を感じ取り、俺も体勢を前に向きなおす。
毎日聞いている大歓声に耳を貫かれセフンの登場を待った。
「相変わらず凄いな。」
スポットライトの下に彼が現れた瞬間、
素直な感想が口から出てくる。
真っ直ぐにステージを見つめながらうんうん、とAも頷いて。
どっからどう見ても恋してるような目の彼女に口角を上げた。
……あれ？
「この曲…、初日の？」
「あ、そうだよ。もう一週間経ったもんね。また最初の曲に戻ったね。」
曲は、そうなんだけど。
いや、振りもそうなんだけど…。
「全然、違う。」
「ん？」
初日の印象と、全然違う。
同じ曲なのに、全然違う。
「あいつ…あんな男臭かった？」
「ジョンイン、お客さんをよく見てみて。」
やっとの事でセフンから目を外し、
客席を見てみると。
「女ばっか…」
「そう。今日は比較的女性のお客さんが多いよね。」
初日は…確か男女の比率は半々で。
立ち上がって見てる人を思い出すと、男の方が多かったような気がしないでもない。
もしかして。
「あいつ…踊り方変えてんの？客によって。」
”女性が多かったら、腹筋が見えるように。”
「そうだね。毎回違う。同じ曲でも何通りもあるみたい。」
「マジかよ…。」
前にも見た事のある曲のはずが、全く違うものに見えて。
セフンやルハンさんがしつこく言っていた「プロ」の意味が少しだけ分かったような気がした。
「俺…今までの客の顔なんて誰一人覚えてない。」
「普通そうだよ、…普通はね。」
Aが言った「普通」と言う単語に、
俺は強烈な羞恥心を感じる。
力強く踊るセフンを見つめているとバチッと目が合って。
その瞬間きっと俺にだけに放たれた中性的なオーラに、軽く目眩がした。
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こうめ(プロフ) - 解説を読んでからまたもう一度物語を読み直して涙がでました。ファンにとって彼らの才能も努力も全部ひっくるめて大好きな愛の形が描かれていてとてもすきです (2016年5月4日 0時) (
レス) id: 7e852f53ef (このIDを非表示/違反報告)
toliko(プロフ) - 一言。大好きです (2016年2月18日 23時) (レス) id: cf61cbd4ac (このIDを非表示/違反報告)
呉空(プロフ) - 凄く感動致しました(;_;)解説を読んだ後には再び感動しもう一度読み返しました！かぴ様の書く作品は色んな意味で心に響く感動的な話でいつももう一度読みたくなります！かぴ様の作品凄く大好きです！いつもありがとうございます(;_;) (2015年12月21日 3時) (レス) id: 168c574e0d (このIDを非表示/違反報告)
荷娜(プロフ) - EXO-LはEXOの頑張っている姿(影)に惚れているというのが遠まわしに伝わって感動しました！あ、違ったらごめんなさい…長々とすいません！これからも応援しています！！！ (2015年12月11日 17時) (レス) id: 4d87dd0cc6 (このIDを非表示/違反報告)
荷娜(プロフ) - 社長様から読まさせていただきました！つまりEXOの不安よりもEXOの輝きが勝つ！という風に感じて、例えるのが上手で小説に吸い込まれました。結局、セフンは踊れなくなったのでしょうか？踊らないのでしょうか？ (2015年12月11日 17時) (レス) id: 4d87dd0cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年11月16日 1時
