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スタスタと近付いて来たセフンは俺の腕を掴んだ。
「手はこう、この角度。女性客が多かったらもっと上げる。腹筋が見えるように。」
そう言って、更に上に引き上げる。
「いたっ、痛ぇよ！」
「痛いならもっと入念にストレッチ。とにかく手はその角度。」
何だ、それ。
踊ってる時にいちいちそんな事考えらんないし。
「俺は俺のやり方で踊る。」
「だから、それが自分勝手。」
「は？」
「自分なんて捨てろ。俺らはプロ。プロのダンサー。」
言ってる事が全然、分かんねえ。
プロでもアマでも上手く踊りゃそれでいーだろ。
「昨日も言っただろ。ただ踊りたいだけの自己満足ならどっかその辺で踊ってろよ。」
「は、」
「自分が満足する為に踊るな。金貰ってんだよ、こっちは。」
「…お前はこの店の操り人形かよ。」
「雇われてるんだから当たり前。」
嫌味で言ったのに、肯定される。
じりじりと詰め寄ってきて、
昨日のように見下された。
「あの場所で踊りたいって事は、トップになりたい訳？」
「いや、俺は別に…」
「じゃあ、二度と言うな。」
「お前みたいなぬるい奴に。あの場所は、絶対に譲らない。」
凍りそうな程の鋭い視線に息を飲んだ時、扉が開いて先生とルハンさんが入ってきた。
「おはようございます。」
すぐさまセフンは90度に頭を下げる。
ちぇ、媚び売りやがって。
俺もぺこ、とお辞儀をするとルハンさんは手をあげて笑った。
「はは、ピリピリしてるな。」
そう言って壁に寄り掛かると、
始まったレッスンで踊る俺たちを一曲分だけ見て、すぐに出て行った。
セフンはその背中にまた頭を下げる。
「お前、あの人の愛人かなんか？」
皮肉を込めてそう言うけど。
「何とでも思っとけば。」
全く動じずにまた前だけを見て身体を動かすもんだから、俺も軽く舌打ちしてレッスンに戻った。
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こうめ(プロフ) - 解説を読んでからまたもう一度物語を読み直して涙がでました。ファンにとって彼らの才能も努力も全部ひっくるめて大好きな愛の形が描かれていてとてもすきです (2016年5月4日 0時) (
レス) id: 7e852f53ef (このIDを非表示/違反報告)
toliko(プロフ) - 一言。大好きです (2016年2月18日 23時) (レス) id: cf61cbd4ac (このIDを非表示/違反報告)
呉空(プロフ) - 凄く感動致しました(;_;)解説を読んだ後には再び感動しもう一度読み返しました！かぴ様の書く作品は色んな意味で心に響く感動的な話でいつももう一度読みたくなります！かぴ様の作品凄く大好きです！いつもありがとうございます(;_;) (2015年12月21日 3時) (レス) id: 168c574e0d (このIDを非表示/違反報告)
荷娜(プロフ) - EXO-LはEXOの頑張っている姿(影)に惚れているというのが遠まわしに伝わって感動しました！あ、違ったらごめんなさい…長々とすいません！これからも応援しています！！！ (2015年12月11日 17時) (レス) id: 4d87dd0cc6 (このIDを非表示/違反報告)
荷娜(プロフ) - 社長様から読まさせていただきました！つまりEXOの不安よりもEXOの輝きが勝つ！という風に感じて、例えるのが上手で小説に吸い込まれました。結局、セフンは踊れなくなったのでしょうか？踊らないのでしょうか？ (2015年12月11日 17時) (レス) id: 4d87dd0cc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年11月16日 1時
