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「えー気になるなぁ。」
「んー！ゆわないから手どけてー！」
「絶対言わない？」
「ゆわないー！」
真っ赤になったジョンインが
恐る恐る手を離した。
自由になったハナちゃんは
「お花のかんむりつくる！」
と、すぐ傍に腰をおろして作業を始めた。
ベンチには私と彼の二人。
ふーっと息を吐き、「暑いね」とパタパタと手で顔を扇ぐジョンイン。
「Aちゃん。」
「ん？何？」
「僕ね、今月でホストやめるんだ。」
「え、？」
前を向いたまま、清々しいという表現がピッタリな顔で話し続ける。
「オーナーにも承諾もらった。」
「で、でも…」
ホストは彼の天職なはず。
そりゃあ世間からの偏見は少なからずあるだろうけど
まさか本当に辞める決断をするなんて。
「わかってるよ。Aちゃんは理解してくれてるって。でも、僕が嫌なんだ。大切な人が居るのに、それを隠してまで今まで支えてくれたお客さんを騙したくない。」
「…ジョンイン。ジョンインらしいね。」
本当に彼らしい、と思った。
だから彼は愛されるんだ。
「それで…僕が出来る事は何だろうって考えたんだけど。…笑わないで聞いてくれる？」
「勿論。笑わないよ。」
「施設を作ろうと思ってる。家族を失くした子供達が暮らせる施設。」
照れ臭そうに髪を触るジョンイン。
施設…何と表現したらいいんだろう、この気持ちを。
いつもいつも、彼がする事は本当に……
「今まで稼いだお金もほとんど使ってないし、国から支援も受けて経営が安定するまで位には充分……ってAちゃん、泣いてるの？」
ジョンインに言われて、目から涙が出ている事に気付く。
「ほんっとに…ジョンインらしいな、って、」
「へへ…そう？…でも、Aちゃんのおかげだよ。」
「私の…？」
「うん。だって、Aちゃんと出逢わなかったらホストを辞めるきっかけだって無かった訳だし。未来の事を考えるのも、ずっと先だったと思う。」
「ジョンインは、凄いね。偉いね。」
「Aちゃんの方が凄いよ。僕の新しい居場所を、簡単に作ってくれちゃったんだもん。」
そう言って私の手を握る彼に、また涙が止まらなくなった。
「あ、泣かないで泣かないで…。それで…えっと、全部が落ち着いたら…僕と……」
「あーっ！ににがAちゃんなかせた！」
ジョンインの言葉を遮って、ハナちゃんが飛んで戻ってきた。
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あや(プロフ) - はじめまして！すっごく面白かったです^o^！ (2016年4月1日 22時) (
レス) id: 659228d030 (このIDを非表示/違反報告)
U：(プロフ) - 朝、この作品に出会って一気に読み…今は涙ボロボロですw 素敵な作品をありがとうございます!! (2015年9月13日 9時) (レス) id: 6e4069c740 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん太(プロフ) - 本当に幸せな気分でいっぱいです(´ー`＊)ありがとうございます！ (2015年9月5日 17時) (レス) id: da438e648a (このIDを非表示/違反報告)
マシュマロ(プロフ) - 読んでて幸せな気持ちになりました(*^^*) (2015年8月5日 9時) (レス) id: ce6b948911 (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - yomさん» もしかして…yomさんとは！作者様でいらっしゃいますよね？！ コメントありがとうございます！私もyomさんの作品の大ファンです！本当に感激です！まさかファンの方からコメントを頂けるなんて…！短編も読んでます！本当にありがとうございます！ (2015年6月28日 0時) (レス) id: 84a56e5326 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年5月8日 1時
