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「Aが１回俺の前から姿を消した時…その時の俺の姿を見せてやりたい、お袋に。」
自虐的に笑う社長
「飯も食えねぇ夜も眠れねぇ。でも仕事はするしかねぇ。そんな中で唯一の救いが何だったか。」
私にも問いかけるように話す
「無理矢理にでも寝るんだ。
寝たら……こいつに会えるんだよ」
笑って私を見る彼に、また涙が止まらなくなった
「夢でこいつに会えるんだ。」
どこまで私を好きでいてくれるんだろう、この人は
「それ位ダメだった。自分の横にこいつがいない世界は。こいつと出逢う前に、自分がどんな生活を送ってたか思い出せなかった」
「ミンソク…貴方の強い気持ちはよく分かったわ。でも、どうしてAさんなのかしら。ごめんなさいね、失礼な事を聞いて」
お母様が私に謝る
「いえ…私にも、わからないので…」
「どうしてなの？ミンソク。」
社長がフッと笑った
「自分より、他人を優先させる女なんだ。こいつは。面接の日からそうだった」
面接の日から…？
何かあったっけ…
思い出せない私にまた笑う社長
「思い出せないだろうな。それ位自然にやっていたんだという証拠だ。お前が靴を貸したあの女子社員も今は営業でよく頑張ってるぞ」
「え…？あ。」
靴を貸した…思い出した
会社に着く直前に靴のヒールが折れたと泣いている子がいたんだ。
今から買いに行く時間がない、どうしてもこの会社に入りたかった、と泣いている子が。
”良かったら…私の靴を履いて下さい”
”え…でもそしたら貴女が、”
”私は大丈夫。番号的にまだ先だと思うから”
「社長だと顔が割れる面接の前に、俺は必ず人間性を知るためにフロアを見る。やすやすと靴を貸すお前を見て、こいつは余裕なのか、それとも俺の会社は本命じゃないのか。そう思ったよ。」
「いや、本命だった…」
「そうだろうな。テンプレートじゃない履歴書と、ガチガチに震えるお前を見て確信した。」
懐かしいな、と呟く社長
「面接という人生の一大事の日に、周りを見てる奴はお前だけだった。普通は自分の事だけで精一杯だろう。俺は面接する前からお前の合格を決めていた」
「そうだったんだ…」
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halohalo976(プロフ) - 数年前に大好きで読んでいて、今でも忘れられずふとまたこの作品を読みたいなと思ったのですが...サイトに飛んだのですがページがないようで...他の作品も大好きなのでぜひとも公開して頂けないでしょうかㅠㅠ生きる活力をください..._:(´ཀ`」 ∠): (2021年10月5日 1時) (
レス) id: 66d856abd6 (このIDを非表示/違反報告)
叶多(プロフ) - サイト飛んだんですが、ページがないみたいで。すごく好きな話だったんでまた読みたいんですが(><) (2020年2月7日 2時) (レス) id: 6f8ef4ca07 (このIDを非表示/違反報告)
のんちー(プロフ) - もう更新しないのですか？続きが気になってます。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: bf0265463f (このIDを非表示/違反報告)
Dollar - シウちゃんを愛する気持ちと一生添い遂げようと思いました。笑笑 (2018年1月2日 22時) (レス) id: 44faffd26a (このIDを非表示/違反報告)
苺於(プロフ) - 初めまして！ほんとにこのお話大好きです！もうヤバイです！(語彙力…) 受験勉強そっちのけで読み込んでしまって気づいたら半日終わってました(T_T) シウちゃんまじで好きすぎる。器のでかさ半端ないっす。もはや尊敬のレベル！かぴさんのファンになりました！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 759e9cc09f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年4月3日 12時
