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帰国して、スーツケースをリビングに置いた瞬間ソファになだれ込む社長。
「時差ボケ？飛行機で寝なかったの？」
「あー…お前は口開けて寝てたなぁ。」
「うそ！？」
「チーズ放り込んだらもぐもぐ食いやがって。」
「えー！？」
「寝ながらワインまで寄越せと言うから参った。」
「嘘だ…嘘だよそんなの、だってまたご飯食べ損ねたんだから、」
「嘘だ。」
は…はー！？
頬が膨れた私を横目にゴローンと寝返りをうち、ハワイの小さなお土産屋さんでお揃いで買ってみた革のブレスレットを眺める。
その仕草につられて私も自分の腕を持ち上げた。
彫られた文字を指でなぞる。
「ミンソクのM…」
「ドMのMだろ。」
「じっ、自分が彫れって煩いから彫ったのに！」
「まさか本当に彫るとはな。」
ニヤニヤ笑う社長はこうなったらとことん意地悪だからもう何も言わない。
いいもん、ミンソクのMとドMのMでいいもん。
それよりとりあえず片付けておかないといけない物だけは整理しないと…
これはクリーニング、これは洗濯機…
「眠い。」
これは洗面台…あ、お土産の仕分けと…。
「眠い。」
あ、何故か社長が買ったうさぎのぬいぐるみ。
これ寝室に置くのかな…
「眠い！！」
「寝ていいよ！」
さっきから半ば眠りの船を漕ぎながら眠い眠いと言っていた社長。
眠いなら寝ればいいものを。
「お前も寝ろよ。疲れてんだろ？」
「疲れてるけど…私は飛行機で寝たし片付けもしなくちゃ。」
「明日でいいだろ？」
「えー。明日の方がキツそうだもん。」
「…多分今、シーツが冷たい。」
「うん？」
あ、暫く使ってなかったから。
「大丈夫だよ。冬じゃないんだから。」
「そういう事じゃない。」
「じゃあ何？あ、ちゃんと新しいやつにしてるし、」
「もういい。おやすみ。」
シャッと睨まれ、まるで毛が逆立つ猫のようだ。
ドスドス歩いて行っちゃって私はポカーンと見送る。
何怒ってんだ…
シーツが冷たいって…別に寒くないし……あ。
ぽん、と手を叩く。
だてに長い付き合いじゃない。
そうだそうだ。
あの人はたまに素直に言えない時がある。
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halohalo976(プロフ) - 数年前に大好きで読んでいて、今でも忘れられずふとまたこの作品を読みたいなと思ったのですが...サイトに飛んだのですがページがないようで...他の作品も大好きなのでぜひとも公開して頂けないでしょうかㅠㅠ生きる活力をください..._:(´ཀ`」 ∠): (2021年10月5日 1時) (
レス) id: 66d856abd6 (このIDを非表示/違反報告)
叶多(プロフ) - サイト飛んだんですが、ページがないみたいで。すごく好きな話だったんでまた読みたいんですが(><) (2020年2月7日 2時) (レス) id: 6f8ef4ca07 (このIDを非表示/違反報告)
のんちー(プロフ) - もう更新しないのですか？続きが気になってます。 (2018年9月4日 20時) (レス) id: bf0265463f (このIDを非表示/違反報告)
Dollar - シウちゃんを愛する気持ちと一生添い遂げようと思いました。笑笑 (2018年1月2日 22時) (レス) id: 44faffd26a (このIDを非表示/違反報告)
苺於(プロフ) - 初めまして！ほんとにこのお話大好きです！もうヤバイです！(語彙力…) 受験勉強そっちのけで読み込んでしまって気づいたら半日終わってました(T_T) シウちゃんまじで好きすぎる。器のでかさ半端ないっす。もはや尊敬のレベル！かぴさんのファンになりました！ (2017年12月11日 18時) (レス) id: 759e9cc09f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年4月3日 12時
