ALBUM５

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「A…」

『誰？彼女？』

「いや、」

「違います。バイト仲間…です」


ウォヌに否定されるのはつらい

だからすぐに友達って言おうと思ったけど、それもなんか違う気がして



『バイトしてるの？ウォヌ』

「……」

『え〜どこのカフェ？会いに行っても良い？』

「ダメです」

『え？

なんであなたが答えてるの？ふふ』


口元に手を当ててクスクス笑う

綺麗な人だなぁ


薬指には眩しく光る指輪



「私、ウォヌのこと好きなんです。だから、会いに来ないでください」

『あはは、すごいストレート』

「ご結婚なさってるんですよね。それなら、ウォヌのところに来るより旦那様と」

『私が誰と何をしようと、あなたに関係ないよね』

「……」

『私は別にウォヌのことが好きとかそんな風に思ってないから安心して。ただの暇つぶし』

「！」



暇つぶし…？

本人がいるのに、どうしてそんなことを言えるの





隣に立つウォヌに視線を向けると

光を失った瞳が地面を見つめていた





『あなたみたいなお子ちゃまにはわからないだろうけど、愛情と欲は別なの。
私とウォヌはそういうことを理解し合って割り切った関係だから大丈夫』





"昔好きだった人に裏切られた"

ウォヌが言っていたのはこの人のことだろう


でも、どうやら当の本人は裏切った自覚がないらしい




「理解し合ってる？大丈夫？

…何を言ってるんですか」

『え？』

「ウォヌの気持ちを考えたことがありますか？」

「A、もういいから」

「よくないよ！

ウォヌはこの人の所為で恋愛出来なくなったんでしょう？それなのにこの人は何も」

『それどういうこと？私の所為？』

「詳しくは知りませんけど、今見てるだけで何となくわかった気がします。

あなたの何気ない言動がウォヌを傷つけたんじゃないですか？」

「A」

「自分の都合の良いように扱わないでください。少しでも良心があるなら、もうウォヌには」

「A！」

「……」



怒鳴るような大きい声


こんなの、初めて聞いた




「やめろよ」

「でも…」

「何？そうやって俺を守ってるつもり？」

「……」

「俺の過去なんて知らないくせに口を挟むなよ。
そんなことしたって好きにならないから」

「っ、」


好きになってもらうために言ったんじゃない


ただ

ウォヌのことが好きで


誰かに傷つけられる姿なんて見たくない




それだけだった

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