2 ページ35
『ウォヌくん
最近あたしのとこ来てくれないね』
「そうかな」
『そうだよ。寂しい』
バイトが終わって帰る準備をしていたとき
ウォヌと女の子の会話が聞こえて来た
私とウォヌは同じカフェでバイトをしていて
ウォヌを目当てにやって来る女の子が多いこともよく知ってる
この声…注文のときにウォヌの手を握ってた人だ
『他に可愛い子見つけたの？その子とばっかり遊んでる？』
最近私はほぼ毎日ウォヌの家に遊びに行ってる
行っても良いか聞くのは毎回私だけど
それでも受け入れてくれるってことは、ウォヌもそれなりに私のことを気に入ってくれてるのかなって思ってた
だから、このときの私は少し調子に乗っていた
今日は特に約束してなかったけど
きっとウォヌは
私と過ごすことを選んでくれる、と
『あたしとはもうおしまい？』
「おしまいって？」
『もう会ってくれないの？』
「なんで。今も会ってるじゃん」
『…じゃあ
今日、あたしの家に来てくれる？1人で寂しいから泊まってほしいの』
「いいよ」
『え！ほんと？』
「うん」
『わぁ…嬉しい。泣いちゃう』
「はは、大袈裟」
『あたしウォヌのこと大好きだもん。ウォヌがいなきゃダメなの』
「うん…
可愛い」
"いいよ"
"可愛い"
ウォヌの声が頭の中で繰り返され
胸が苦しくなる
『ウォヌ』
「ん？」
『キスしたい』
「誰かに見られるよ」
『いいよ。見られてもいい。今したいの』
女の子の甘ったるい声
ウォヌの優しい声
唇が
重なる音
「……っ」
息が出来なくなるほど苦しくて
零れ落ちた涙が床を濡らした
.
.
.
初めからわかってた
告白したときに
"俺は誰とも付き合わないよ"と言われたから
それでもいい
私だけじゃなくても
大勢の中の1人でも、いい
そうやって誤魔化してきた気持ちが
悲鳴を上げて崩れていく
「うっ、ぅ…
……ウォヌ…」
優しいあなたが好き
可愛いって
好きだよって言ってくれるあなたが好き
こんなに好きで
大好きで
本当は
私だけを見てくれたら、って願ってた
ウォヌの傍にいるためには
彼の全てを求めてはいけない
そう思うから、"私だけを選ばなくても大丈夫"と自分に言い聞かせてきた
本心じゃない
だから、大好きだけど
ウォヌとはキスをしなかった
いつか
私だけを愛してくれると信じてたから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 393人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまいくりーむ(プロフ) - レモンさん！素敵なお話ありがとうございます！本当好きー！キュンしました！ありがとうございました！ (2020年3月29日 8時) (
レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - レモンさんのお話いつもすごく面白くてときめきます。すごく好きです。無理せず更新頑張って下さい。応援してます。 (2020年3月19日 11時) (レス) id: 6d460acf42 (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - レモンさーん！トキメキのお話ありがとうございます！夢の様なストーリー！キュンと癒されました！ありがとうございました！ (2020年3月19日 10時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
Eno.(プロフ) - レモン様、こんにちは！とても面白い小説を書いていただきありがとうございます！短編集って、読みやすいし、メンバー全員と恋できるし、良いことばかりですね！！これからも更新待ってます！ (2020年3月17日 2時) (レス) id: 7a57244c2b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモン
| 作成日時：2019年12月25日 15時
