ALBUM５

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私には

人の未来が見える




ミンギュくんと出会ったきっかけも、彼の未来が見えたことだった



事故や事件に巻き込まれる未来


それ以外は、忘れ物をしたり遅刻をしたり
日常の小さな出来事で

私が見た内容を教えてあげることで未然に防いできた




それが

今





「……」




私にとって

"小さな出来事"とは言えない形で見えている









ミンギュくんが教えてくれた素敵な居酒屋


そこで向かい合って座る

ミンギュくんと知らない女性



一緒にお酒を飲んで

何か話をしてる



女の人が泣いて

ミンギュくんが慰めて



2人はそのまま店を出た






女の人は酔っ払っているのか、足元がおぼつかない様子で

バランスを崩してミンギュくんに抱きつく



ミンギュくんはそのまま背中に手を添えて支え

至近距離で見つめ合った後



女の人の方から

ミンギュくんの唇に……








「Aちゃん？」

「っ、


あ…」

「大丈夫？また何か見えた？」


ミンギュくんが

私の目の前に来て、顔を覗き込む


「…

だ、大丈夫。何も…見えてないよ」


動揺を隠しきれず

不自然な言い方になってしまった


「ただ、素敵なお店だなって」

「……」



ミンギュくんの目が見れない



さっき見えた未来の

あの、綺麗な女の人は…誰？



2人はどうして









「Aちゃん」

「…ごめん。

ミンギュくん、私…今日はもう」

「ん？」

「ごめんね、あの…ちょっと、急用を思い出して」

「急用？」

「うん。だから、ごめん。帰るね」

「そっか…
じゃあ送って行くよ」

「いい！」

「え…？」

「あの、

ごめん。大丈夫だから。


…ごめんね。

また、連絡する」



顔も見ずに

慌ててその場から走り去る





ミンギュくん、驚いてた


当たり前だよね

さっきまで楽しく話してたのに、いきなり急用だなんて…態度悪いって思われたかも



「……」



でも


わかってても

冷静になんてなれない




だって


明日か、明後日か、

近い未来






ミンギュくんは私の知らない綺麗な人と


キスをするんだから









ーーーーー


ーーーー


ーーー





「…はぁ」



家に帰って

ベッドに横になって


改めて、考える



……ミンギュくんが
私以外の人と、キス



私だって

まだ、数える程しかしてないのに



「やだよ…そんなの」



まだ現実になったわけでもないのに


胸が痛くて
悲しくて苦しくて

涙が溢れる

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