ALBUM２

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「はぁ…」


ピコピコ


「なんであんなこと…はぁ…」


ピコピコ ピコピコ


「…時間が戻せたら良いのに

そしたら…絶対、泣かないのに」


ピコピコ ピコピコ ピコピコ


「あ、死んだ」

「ちょっと！ウォヌくん！！
人が真剣に悩んでるのにさっきからピコピコピコピコって！！」


熱中していたゲーム機を取り上げると、不満そうに睨まれた


「ゲームの邪魔したのはそっちだろ」

「……」

「おい」

「……」

「こら。聞こえないフリすんな」

「痛い！
デコピンしないでよ」


骨ばった指は凶器だ


「ったく…返せ。ゲーム」


ゲームのことになると恐ろしい

今度はデコピンで済まないかもしれないので、大人しく手渡す


「で？悩み相談は終わったのか？」

「…聞いてたの？私の話」

「一応」

「……スニョンくん、きっと変に思ったよね。いきなり泣き出したりして」

「しかも走って逃げて」

「う…」


昨日の自分を引っ叩いてやりたい


「嫌われちゃったらどうしよう」


好かれる前に嫌われたら

私の中で育つだけ育ったこの想いはどこに行けば良いのだろうか



「あのさ」

「うん…」

「そんなことで人を嫌う奴か？あいつは」

「…

…ううん。違う。

たぶん、心配してくれてる…と思う」

「俺もそう思う」

「……」

「それでも、どうすれば良いかわかんない？」


優しく問い掛けるウォヌくん


わかる

わかったよ、私


「やっと冷静になった。ありがとう」

「どーいたしまして」

「何かお詫びの品を持って行こう…何が良いかな」

「どうせダンスの練習してるだろうから、食い物とか差し入れすれば？」

「なるほど。
スニョンくんって何が好き？」

「何でもよく食うよ」

「うーん…
差し入れって言ったら何だろう。ゼリーとか？おにぎり、バナナ…なんか可愛げがないかな。実用性ありすぎ？」

「アレで良いんじゃね？よくある、定番の」

「え？どれ？？」

「ほら、アレだよアレ。

レモンの蜂蜜漬け」

「おお…！」


少女漫画みたいで素敵！

そして、ウォヌくんの発想が意外と可愛い


「あいつはそういう王道なの好きだと思う」

「本当？」

「きゅんとするかもよ」

「わぁ…頑張らなきゃ」


本来の目的は、昨日の失態を謝ることだけど


もし

もしも

少しでも私のことを女の子として意識してもらえるチャンスがあるなら
それは頑張らざるを得ない



「じゃあ、帰って特訓します！美味しいの作ります！

ありがとウォヌくん！また明日」

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