ALBUM２

◆クリスマスプレゼント_SC ページ28

「サンタさん
ケーキ1つください」

「はいはーい。どのケーキが良いですか…」


((カシャッ


「あ」

「ぷっ」

「おわ！お、おま、A！？
なんでここに」

「あはは！
スンチョルサンタ面白い〜 似合う〜」


私がゲラゲラ笑うと、スンチョルは慌てて顔を隠そうとした


今更遅いけどね

もう写真撮っちゃったし


「ここで何してんだよ！お前ん家、反対方向だろ」

「だって〜
スンチョルがサンタさんになってニコニコ愛嬌振りまいてるって聞いたから、これは見なきゃ損だと思って」

「……アイツだな」

「私の天使様」

「悪魔だあんなの！
ユンジョンハンめ！！」


このバイトを内緒にしたかったらしいスンチョル

でもね、ジョンハンに教えちゃったらダメよ。あの人私の味方なんだから



「……」

「売れ行きはどうですか？サンタさん」

「…おかげさまで好調です」


スンチョルは真面目だから、一生懸命サンタさんになりきって売り上げに貢献しているのだろう


「……」


指先真っ赤

なんで 雪降ってる中、外でケーキ売らせるんだ…店長に文句言ってやりたい


「サンタさん」

「…お前絶対バカにしてるだろ」

「これあげる」

「え？」


きょとんとする彼の手に温かいコーヒーを持たせ

左右のポケットに温かいカイロを入れる


「背中、カイロ貼ってる？」

「え…や、貼ってない」

「バカじゃないの」

「なっ！

…おい、ちょっ、何してんだ」

「動かないで」


赤い服を捲り上げ
がっちりした背中にカイロを貼る


「……」

「バイト頑張るのも良いけどさ
風邪引かないように気をつけなよ？」

「……」

「じゃ、私帰るから」


太い首に白いマフラーをぐるぐると巻きつけて
逃げるようにその場を去る



あー

ドキドキした

変じゃなかったかな
友達でもこのくらいするよね。大丈夫だよね


好き、ってバレてないよね







「A！」

「へっ…

な、何。どうしたの」


駆け寄って来るスンチョル


まさか私の気持ちに気づいたんじゃ…



「A」

「…はい」

「明日！」

「明日？」


明日はクリスマス

1人で静かに過ごすか友達と遊びに行くか迷ってたところ


「明日…その…

…あーっ、
だから！明日！」

「何よ。落ち着いて」

「明日、デートしよう！！」

「……え…？」


鼻も耳も真っ赤にさせて

真っ直ぐ私を見つめる





大好きな人から

特別なクリスマスプレゼント






ーENDー

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