ALBUM２

12 ページ12

「レモンの蜂蜜漬けって、すごい青春って感じ。王道だよね」

「ふふ」

「うん？」

「ウォヌくんがね、スニョンくんはそういう王道が好きだと思うって教えてくれたの。仲良しだからよくわかってるよね」

「…ウォヌ、か」

「ゲームしてるときに相談したから怒られちゃったよ。デコピンされて痛かった」


ウォヌくんの話題ならペラペラ話せる。有難い


「……」

「ん？
スニョンくん？」

「あー…

ごめん。ちょっと、」

「？」


どうしたんだろう

俯いて髪をぐしゃぐしゃにしている


私が何か変なことを言っただろうか


「…Aちゃん」

「は、はい」


いつもと違う視線

心臓が止まりそうになる


「俺、わかったかも」

「？」

「昨日言ってたよね？
恋をしたら“ダンスを中断してでも会いに行きたくなる”って」

「え…あ、う、うん」

「今日 いつも通りダンスの練習してたんだけど、Aちゃんのことが気になって集中出来なかったんだ。
今すぐ会いに行って、泣いてた訳を聞こうって…ダンス途中でやめて来た」

「……」

「Aちゃんを見つけたときすごく嬉しかったし、帰るって聞いたら寂しくなった。

それに


…楽しそうにウォヌの話してるのを見て
なんか、ちょっと、嫉妬した」

「えっ！！」


嫉妬！？

ええ！？


な、な、何事


「ごめん。俺も、まだ混乱してるんだけど」

「……」

「たぶん…てか、ほぼ100%
この気持ちが…そうなんだと思う」

「……」

「Aちゃんのこと

好きになったみたい」





あのスニョンくんが


ダンス一筋で

格好良くて優しい

誰よりも一番キラキラ輝くスニョンくんが


私のことを好きになった、なんて


そんな奇跡




「あ…彼氏いる？」

「う、ううん。い、いま、いません」

「そっか…よかった」

「……」

「キム・Aさん

俺と付き合ってくれますか？」

「っ、」



ダメだ

また涙が出てしまう


でも仕方ないよね
これは泣くよ



「うっ、…お、

……お願い、します」


差し出された手を控えめに握り 頭を下げる


「Aちゃん？泣いてる？」

「うぅ…」

「え！な、なんで？」

「ひっく、う、うれ、嬉しくてぇ…うぅ」


顔が涙でびしゃびしゃ

恥ずかしい


息が上手く出来なくなるほど泣きじゃくる私を
スニョンくんはぎゅっと抱きしめた




「ウォヌばっかり頼るのはおしまいね」

「へ…」

「知りたいことあったら、今度は俺に聞いて」

「う…うぅ、はい」







ーENDー

○風邪シリーズ_SE→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す