◆甘くて酸っぱい_HS ページ1
10月のある月曜日
天気は晴れ時々曇り
「あ…いた」
サークル棟の一番端っこ
大きい大きい部屋
いつも遅くまで残って
1人になっても汗をだらだら流しながら踊っている彼
今日も
あっちに行ったりこっちに行ったり立ったり座ったり
忙しく動き回っている
「…格好良いなぁ」
最初はただ、“あんな風に踊れるなんて同じ人間とは思えない”と驚いていただけ
それが “また見てみたい”という気持ちになって
“名前は何ていうのかなぁ” “どこの学科なのかなぁ”なんて、次々と気になることが浮かんで
今では
これが恋なんだとわかった
「A？」
「あ、ウォヌくん」
ドアの隙間から中の様子を窺う私を見て、呆れ顔
「お前また覗いてたのかよ」
「その言い方何かやだ。まるで不審者を見つけたみたいに」
「え。違うの？」
「ちが…くもない、か。
立派な不審者だよね。こんなストーカー行為」
ダンスサークルに縁もゆかりもない私
憧れの彼とは話をしたこともない。それどころか目が合ったこともない
そんな部外者がダンスサークルの練習室を覗き込んでいるのだから、それはもう不審者で間違いない
「そんなに落ち込むなよ」
「うぅ…」
ぽんぽんと優しく頭を撫でる骨ばった手
「話し掛けてみれば良いじゃん。その憧れの彼に」
「え！
む、無理！そんなの無理だよ！」
「なんで」
「だって…緊張して話せない」
「ふーん。
じゃあ、ずっとそのままで良いわけ？」
「……」
「不審者で良いのか？
ちょっと勇気を出せば、友達になれるかもしれないのに」
「友達…？」
あの、ダンスが上手な彼と
あの、ご飯を美味しそうに食べる彼と
あの、笑うと目が無くなってすごく可愛い彼と
私が
友達に？
「…なりたい」
「ん？」
「友達、なりたい」
彼女は無理でも友達なら
そんな望みを胸に、ウォヌくんの目を見つめる
「どうすれば良いかな」
「何が？」
「何て話し掛ければ良いんだろう」
「あぁ」
「いきなり練習室に入ったら変だよね？
待ち伏せする？でも、練習終わりで疲れてるのに私が変なこと言ったら嫌われちゃうかな」
「変なことって何だ」
「ほ、ほら、緊張すると自分でもよくわかんないこと言ったりするでしょ？」
「ふーん」
「ウォヌくん
何か良いアイディア無い？
どうやって現れたら不自然じゃないのかな」
既にパニックになりかけている私
必死で詰め寄ると、ウォヌくんは嫌そうな顔で後退り
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レモン(プロフ) - ゆずテムさん» コメントありがとうございます！えええ嬉しいです(TT)もっと素敵なウォヌくん書く予定だったのに！と悔しく思ってたところで…尊いだなんて有難いコメントを…感謝感激です。また頑張ります！ (2018年12月23日 20時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずテム(プロフ) - こんにちは！！ウォヌさん尊すぎです涙涙涙また更新されるのを楽しみにしております！！ (2018年12月22日 20時) (レス) id: 9c2c49a1ac (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - あまいくりーむさん» コメントありがとうございます！付き合ってからの2人…なるほど。考えてみますね！私の脳がひらめくまでお待ちください(○´ｰ`)ﾉ (2018年11月3日 12時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
あまいくりーむ(プロフ) - お話とっても好きです！楽しかったです！付き合ってからのふたりはどんな感じなのか想像してニコニコしていました。続きのお話書いてくださったら嬉しいです！ (2018年10月28日 19時) (レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年10月8日 21時
