まるでおとぎ話のような話 (ページ9)

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BK「おいこら」

「ひゃ！」

すると突然ベッキョンさんの顔が目の前に現れた。

BK「なんでそんな顔してんの。

今日はAちゃんの執事は俺だよ？

気づいたかもしれないけど、執事は自分のお姫様しか見てないんだよ。」

少し悲しそうな顔をしたベッキョンさんを見て少し申し訳ないと思った。

BK「だからAお嬢様も今日は私だけを見ててくださいね！」

そんな笑顔で言われたら、さっきまでの寂しさも消えていった。

BK「はい、お待たせしました〜。
ベッキョンの愛がこもりにこもった特製料理で〜す！」

と運ばれてくる料理。

「冗談きついですよ笑」

BK「おいしいですか？？」

「聞いてる？」

‥

すると、隣の執事から執事のお前が食事中にそんなおしゃべりしてどうすると注意を受けしぶしぶ隣に静かに立つベッキョンさん。

こっそりちら見すれば、おいしい？と、口パクで言ってきたから、１回だけうなずけば、嬉しそうに笑った。

‥

‥

BK「今日は歌のお稽古がありますよ〜。よっしゃ、俺の得意分野！」

なんであなたが気合入ってんのよ。

「てか、歌のお稽古とかいる？」

BK「Aちゃーん。素敵な歌を歌えるのも、素敵な女性の魅力の1つですよ？ほら、行きますよ！」

そういって、まだ納得いってない私の腕を引っ張って教室まで連れて行った。

「さて、では一人ずつ歌って貰いましょうか。」

歌の稽古も終盤にかかった頃、先生のその一言で私は固まった。

え、私歌うの苦手なのに〜。

ましてや、みんな結構自信ありげじゃん。

「私が先に歌ってよろしいですか？」

一人のお姫様が立ち上がり、さっそくみんなの前で自分の歌声を披露した。

歌い終われば、その子の執事は

「お嬢様、お上手ですね」

と、すごく嬉しそうだった。

やっぱり自分のお姫様が上手だったらそれなりに嬉しいよね…

そう思ってベッキョンさんの方を見れば、？という顔をしてニコニコしてる。

ごめんなさい、ベッキョンさん。

私あんなに上手に出来ないよ。

不安になって、ベッキョンさんを見つめているとだんだん先程のニコニコがなくなっていって、

BK「どうした？」

「いや…私歌うまくなくて…」

そう言って、視線を下に向けた瞬間。

突然彼に手を掴まれたと思うと、

‥

BK「次歌います！！」

‥

ベッキョンさんの声が大きく響いた。