2 ページ9
ド課長の言う事は全て…正論だった。
言い返せなくて、課長から出てくる言葉を聞いてると本当にそんな気がして、じゃあセフンさんは私に愛はないのかな、とか考えたら、涙が出た。
朝早く来たおかげで泣き止むのを待つぐらい時間に余裕があって良かった。
その場に座り込んでしゃくり上げていると、突然屋上のドアが開いた。
「…！？ セフンさん…！」
何でここに…！？
「Aが心配すぎて、いても立ってもいられませんでした」
タクシーで飛ばしてきました、と彼は私を包み込むようにして抱きしめた。
ふわり、と香るセフンさんの匂い。
私は何度も何度も彼を力強く抱きしめた。
貴方の愛を実感できるように。全ての感触で貴方を感じるの。
「…どうしたんですか。誰に泣かされたんですか」
「違うんです。泣かされてません。今日締め切りの仕事を片付けるの忘れてて、パニックになっちゃって…」
私は嘘をついた。
さっきあったことをセフンさんには言えない。
彼との関係を壊したくない。
例え私は彼のお人形だとしても。
「…お仕置き、またしましょうか？」
「…え？」
セフンさんは私のスカートを少し捲ると太ももに唇を近付けた。
「っ、セフン、さん？」
チリッと痛みが走る。唇を離すとまた近い所に唇を近付けた。
「…っ…」
「…嘘、ついてんのすぐ分かります」
セフンさんは下から私のことを見上げる、というより睨むようにして見た。
正に蛇に睨まれた蛙。怖くて動けない。
「泣いた理由は後で嫌でも吐かせます。…Aにとって嫌な思いは僕も共有します。一人で抱え込まないでください」
「…うん、ありがとうセフンさん」
セフンさん、やっぱり好きです。
セフンさんはそろそろ戻ります、と言って立ち上が
った。
そして、私に手を差し伸べてくれた。
「…あ、スカート。下げないとその痕、見えちゃいますから」
え？と自分の脚に注目するとスカートの丈と同じぐらいの位置に紅い痕があった。
「スカート短すぎます。今後それより短いスカートを会社に履いてこないこと」
「…は、い」
言ってくれればいいのに、見えちゃったらどうしよう。
恥ずかしい、けれど、チラッと見えるこの紅い痕に少し嬉しくなっている自分がいた。
私の事、ちゃんと愛してくれてるんだ、やっぱり。
大事にしてくれるから、束縛をしてくれる。
そう信じ込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 917人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよこのこ(プロフ) - セフナさん» 本当に更新遅くなってしまい申し訳ないです(；＿；) 好みの作品と言って頂いて嬉しいです。 コメントありがとうございます！ (2016年12月4日 9時) (
レス) id: 5924cafef1 (このIDを非表示/違反報告)
セフナ - 更新がだいぶ前ですが、凄く好みの作品なのでよければ更新お願い致しますm(*_ _)m (2016年10月6日 11時) (レス) id: adf49a6633 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよこのこ | 作成日時：2016年3月31日 0時
