猜疑 ページ8
「あ、今日は課長の方が早いですね」
セフンさんのモーニングコールは続き、何だかんだ早く会社に着くことに慣れてしまった。
「なんか、課長として負けたくないなって、思って」
「変な対抗心燃やさないでくださいよ」
早く会社に着くことで課長と話すことが当たり前となっていた。
課長と話してると心地良い。
はっきり言って同僚の女の子たちについていくのに精一杯だから会社での唯一の好きな時間がこの時間となった。
「あ、すいません。ちょっとメールの返信を…」
「最近よくスマホチェックしてるね。彼氏でもいるの？」
「…はい、初めてできた彼氏なんですけど、付き合うって大変なんですね…」
「…どういうところが？」
「メールは読んだら10分以内には返信とか休憩ごとに電話とか他の男と話すな、とか、正直つか…あっ」
私、何課長にこんなこと話してるの。
いくら信頼してるからって…
それより。
私は今、何て言おうとした？
“「正直つか…」”
無自覚に芽生えた感情が存在してることに気づいた。
気づいた、というより、ずっと見て見ぬふりしてた部分が抑えきれなくなってしまった。
「ペクさん」
「す、すいません。課長にこんなプライベートなこと話しちゃって…以後気をつけ「違う」
課長は真っ直ぐに私の目を見て、心配そうな顔をしていた。
「それは付き合ってるって言わない。彼氏の勝手な支配欲に従ってるだけだ」
違う、セフンさんは
「もっとエスカレートする前に話し合いか別れるかした方がいいと思う」
止めて、そんなこと言うの止めてください
「…ペクさん？」
視界がぼやける。
♪〜〜
「…っすいません、電話、出てきます」
頬に涙が伝っていくのと同時にスマホから電話が来た。
相手はやっぱりセフンさん。
急いで屋上に行き、何とか3コールで電話に出る。
「もし、もし？」
『A、今日は残業で一緒に帰れなくなりそう。ごめん…って、泣いてる？』
必死に泣き止もうと思っても、嗚咽する声が漏れてしまった。
『何があったの。誰に泣かされたんですか』
「違うの…なんでもないんです、ごめんなさい」
ブツッ…ツーツー…ー
電話が切れた。
セフンさんに呆れられたのだろうか。
私がセフンさんの事を疲れた、なんて思ったから？
どうしよう、やだ。怖い。畏れ。辛い。焦燥感。
あたしこの涙どう説明すればいいの。
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ひよこのこ(プロフ) - セフナさん» 本当に更新遅くなってしまい申し訳ないです(；＿；) 好みの作品と言って頂いて嬉しいです。 コメントありがとうございます！ (2016年12月4日 9時) (
レス) id: 5924cafef1 (このIDを非表示/違反報告)
セフナ - 更新がだいぶ前ですが、凄く好みの作品なのでよければ更新お願い致しますm(*_ _)m (2016年10月6日 11時) (レス) id: adf49a6633 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひよこのこ | 作成日時：2016年3月31日 0時
