35 ページ35
用意した楽曲を披露して、トークタイムに入り挨拶が始まる。
Aは乱れた呼吸を整えるのに必死で姉たちの会話などまるで耳に入ってこなかった。
DH「NAKEDのマンネ、スソンです!」
ダヒに突然名前を呼ばれてきょとんとするA。
「え?なに?」
マイクに乗って会場に流れるAの声。
どっと笑いが起こった。
TY「何じゃないわよ挨拶っ」
テヤンがいつものように吠える。
「あー、皆さんはじめまして。NAKEDのマンネ、スソンです。踊る事が大好きです。
皆さんに会えて本当に嬉しいです。応援よろしくお願いします」
挨拶の最後にお辞儀をするA。
歓声が起きて少し驚いた表情で顔をあげるAがカメラに抜かれてモニターに映るとまた歓声が上がった。
・
盛況を期したデビューショーケースを皮切りに、一気に露出が増えたNAKEDはたくさんの番組に出演した。
歌番組は勿論のこと、アイドルが必ず通るバラエティ番組にも出演する。
徐々に皆に周知されたのは
Aに愛想がないことだった。
相手がどんな大先輩でも臆することなく無茶振りはスルー。
テレビではほとんど笑顔を出すことはない。
喋る事もしないで姉たちの後ろに控えてしまう。
ところが、ペンたちの前に出るとその様子は一遍してペンサの神と称されるギャップの持ち主だった。
そんなAに周囲の反応は真っ二つに分かれた。
『生意気』『マンネのくせに世の中を舐めている』と苦言を呈するアンチ派と
『女の子なのに漢気ありすぎ』『かっこいい』とその魅力にはまるシンパ派。
当の本人は周囲の反応には無関心だった。
YS「またAのバッシングが出てる」
NY「こないだファンレターに紛れてカミソリ入ってるのが届いたって」
JH「大丈夫?A」
テレビ局の控室で姉たちが心配して声をかけるが
「指切らなかったし平気。そんなのよくあることでしょ?」
まるで他人事のようだ。
TY「日本人ってもっとこうネガティブな種族じゃなかった?」
「ばかじゃないの?そんなの個人の趣向でしょ」
WL「心配するだけ無駄だよ。あんたこんなの何とも思ってないんでしょ?」
「うん。陰口しか言えないんだから言わせとけばいいよ」
TY「なんで腹立たないのか不思議すぎてついて行けない」
「いちいち腹立てる方が時間の無駄すぎてついて行けない」
Aはドアへ。
313人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:〜NAE〜 | 作成日時:2018年3月4日 18時