SHINE. (ページ18)

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「よろしくお願いします...」

SC「そんなに恐る恐る入ってこなくても(笑)取って食ったりしませんから(笑)」

「あ、はい...」

ついに某動画サイトで何度もみたレコーディング室に足を踏み入れてしまったのだから、こうなるのも仕方ないと思う
それと、私の緊張をMAXまで上げる原因がもう一つ

社長「落ち着いて。私はただ見てるだけだから」

「(黙ってそこに居られるのもしんどい)」

何で社長さんも一緒に居るのか、今世紀最大の謎なんだけど
まだデビューも確定していないペーペーがそんなこと言えるわけないから、心の中でだけ死ぬほど突っ込ませてほしい

SC「曲は一通り聞いてきました?」

「はい、まだ歌詞が不安ですけど」

SC「大丈夫です、それも考慮してみますから。早速ですけど曲かけますね」

ヘッドホンから流れてくる軽快なメロディー
評価曲として選ばれたのは“Check-In”
思い浮かべるのは、鮮やかなMVの中で歌う4人の姿

SC「...ありがとう。発音がはっきり出てくればもっと良くなると思います」

「ありがとうございます」

SC「ラップは苦手って聞きましたけど、日本で練習をみてもらったことがありますか?」

「え?」

SC「息継ぎの仕方とか、アクセントの付け方とか
独特のニュアンスも多い曲だけど、初心者にしてはちゃんとポイントがつかめてる気がして」

「あー...日本でプロではないですけど、ラップをしている人に教えてもらったことはあります」

ピンク頭のあいつは、いきなり私にいつかコラボするんだって言ってラップを教えてくれた
教わってから一切ラップなんてしなかったけど、教えてもらったことは色濃く残っていたみたいだ

SC「基礎があるならどんどん練習詰め込めますね」

「え゛」

社長「程々にしてあげなさいね。じゃあAさん頑張って」

「は、はい」

おもちゃもらった子どもみたいに嬉しそうな顔してるエスクプスさん
社長は最後まで何でここに居たのか分からなかったけど

SC「じゃあ最初からいきますね」

「お手柔らかにお願いします」

終わるころにちゃんと舌が付いていますように

BZ「どうでした」

社長「思ったよりいろんなことが出来そうな子だね
何故向こうの事務所が手放したのか分からないくらいには」

BZ「あいつらも早くそれに気づけるといいですけどね」