Family２

一難去ってまた一難 ページ28

朝から何事もなく平和に過ごしていたある日


学食でナリと一緒にオムライスを食べていたら、珍しい人に話し掛けられた



『Aちゃん』

「あー…っと
ソヨンちゃん？」


カップルクラッシャーの異名を持つソヨンちゃん

今日も派手なワンピースを着ていらっしゃる


『ちょっとお話しない？』

「え…いや、」

『噂で聞いたんだけどさぁ』

「……」


なるほど。あたしに拒否権は無いんですね

はい


『テヤンくんと別れたんだって？』

「え？」

『あら。Aったら、いつの間にテヤンくんと付き合ってたの？』

「いやいや、付き合ってないし」

『あはは』


笑い事じゃないよ

恐ろしいこと言わないで


『まぁ、テヤンくんのことはどうでも良くて』

「どうでも良い…」


哀れなテヤンくん

本当にこの子、恋人いる人しか興味無いんだ


一貫してるなぁ(良くも悪くも)



『土曜日だったかな。Aちゃん図書室にいた？』

「うん。いたけど」

『格好良い男の子たちと一緒だったでしょ』

「え？…あ、」


ジョンインとセフンのことだ


『何それ。あたし知らない』

「いや、それは」

『彼氏？それともキープしてる人？』

「どっちも違うよ。あの人たちは…その…」

『テヤンくんと揉めてたって聞いたよ。みんなでAちゃんの奪い合いかな？ふふ

良いなぁモテモテで。羨ましい』


そう言ってニコッと笑う

目の奥が笑ってません…怖いです



「……」



ちょっと待って


つまり、ソヨンちゃんの次のターゲットはジョンインとセフンってこと？

あたしと恋愛関係にあると誤解して、クラッシュしようとしてるってこと？


わぁー…

やめて


せっかく平和になったのに…うぅ




「あのね、ソヨンちゃん
あたしはモテモテなわけじゃなくて」

『あの人たちはこの大学の人？』

「え…ううん。違う」

『じゃあどこの大学？
同い年？年下？年上？』

「……」


あたしの話を聞く気は無いみたい

はぁ…
どうしたもんか


『写真とか持ってない？』

「持ってないよ」

『残念。今度撮って来て？見てみたい』

「んー…今度ね」


ここは笑って聞き流しておこう


『それじゃ、またね。彼らを大学に連れて来るときは私も呼んで』

「あはは…」


軽やかな足取りで去って行くソヨンちゃん

あたしは、少し話しただけでぐったり



何としても可愛い弟たちを守らないと…！



『いやいや
面白いことになってきましたね〜』

「他人事だと思って…」

『他人事だもん』

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