暗闇の中の ページ15
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次に目を覚ましたときは、病室のベッドの上に横たわっていて
頭の傷口もしっかりと治療されていた
「ん…」
身体が重い
ギシギシと軋む感覚だ
『失礼します…あっ！』
「？」
『先生！ビョンさんが』
部屋に入って来た看護師さんが俺を見た瞬間、すごく驚いたような顔をしたのが印象的だった
これは後でわかった話だが
俺は1ヶ月程眠り続けていたらしい
医者が言うには
怪我自体は大したことがなかったので、目覚めなかったのは精神的なショックの所為ではないかということだ
.
目が覚めてから数日後
警察に事情を聞かれた俺は
“転んでぶつけた”と子どものような嘘をつき、父親のことは一度も口に出さなかった
それは、父親を守るためではなく
あの怪物と自分の接点を消し去るため
会いたくない
顔も見たくない
名前も聞きたくない
もう関わりたくない
本気でそう思った
.
.
.
そして
傷口が塞がり、もうすぐ病院を出なければならないと
ぼんやり考えていたとき
あの人と出会った
『こんにちは』
「…
こんにちは…？」
前触れもなく現れた1人の女性
見たことないと思うんだけど
知り合いなのか？忘れてるだけ？
『私ね、娘がいるの』
「？」
『私なら 自分の子どもに怪我をさせるなんて…そんなこと考えられない』
「……」
この人
俺の家のこと知ってる…
でも、なんでそんな話
『私の家にいらっしゃい』
「え？」
『ここの入院費は払っておくわ。
この先の食費や生活費も気にすることない』
「ちょ…待ってください。何を言ってるのか、全く」
『元いた場所に戻るなんて言わないで。
逃げたって良い
生きたいと思うことは罪じゃないわ』
「……」
俺は最初から自分の家に帰るつもりなんて無かったし
逃げるとか生きるとか、いきなり何の話してるんだって思ったけど
真っ暗で進むべき道がわからない俺の人生には
あのくらいの強引さが、丁度良かったのかもしれない
ーーーーー
ーーーー
ーーー
「…
…う、…ん」
「ベッキョンさん！
大丈夫ですか？わかります？ここ、あたしたちの家ですよ。ベッドの上です」
「…うるさい」
「なっ、」
大騒ぎしながら俺の身体を揺らすあの人の娘
触れた手は妙に温かくて
不思議な感覚になった
「…
すげぇな、あんたたち」
「え？」
「見ず知らずの人間を家に招いたり、守ろうとしたり
…お人好しだよな」
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みっちゃん(プロフ) - レモンさんいつもお疲れ様です（ ; ; ）いつも作品読ませていただいてます。今回の作品も本当に大好きです！！！これからも活動頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月29日 23時) (
レス) id: b9bee3a82b (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！セフン良かったですね！親すごいムカついたけどスカッとしました。次も頑張ってください、応援しています！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: d9ea95abc6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - 楽しみに連載待ってます！応援してます！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: 4ca93bc7ad (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります(o^^o)のろのろですが更新頑張ります！ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 読んでてすごい面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます笑 (2019年4月27日 23時) (レス) id: e0c9fa60e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年4月27日 14時
