暗く苦い記憶 ページ14
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いつからだったか
始まりは覚えていない
両親が言い合いをする声を聞いて目を覚ました俺は
“どうしたの？”と声を掛けた
あの瞬間に全てが始まったんだ
母さんの頬は 暗がりでもわかるくらい真っ赤に腫れ上がり
父さんは…
何て言ったら良いんだろうな
怒り狂ったような
獣のような目で俺を睨みつけていた
あの目を
俺は一生忘れないだろう
まだ小さかった俺の目の前で
大好きな母さんが殴られて倒れる
やめてほしいと懇願しても止まることはなく
何度も繰り返し蹴られて、このまま死んでしまうのではないかと思った
“やめて”
“お母さんを許して”
俺は助けたくて必死だった
相手は父さんだから、俺がお願いすれば聞いてくれると思ったし
今は一時的に怒ってるだけだって
そう思ってた
“ベッキョナ！逃げて！！”
母さんの叫ぶような声
それははっきりと覚えているのに、その後の記憶がひどく曖昧で
どこかへ飛ばされるような感覚と
全身の激痛だけが残った
それから
毎日のように父さんは母さんを殴り
母さんが抵抗しなくなると、俺を殴るようになった
痛くて痛くて
悲しくて
どうして殴られるのか、わけがわからなくて
それでも他に行く場所は無い
ここが俺の家だから
.
“ベッキョナ……ごめんね”
ある朝
悲しそうに謝る母さんの声が聞こえた
目を開けたら
そこに母さんの姿は無くて
昼になっても
夜になっても
次の日になっても
1週間、1ヶ月経っても
母さんは
俺たちの家に帰って来なかった
どうして帰って来ないのか
俺は母親に見捨てられたのか
これから俺は
父親と言う名の怪物に、1人で立ち向かわなければならないのか
何一つ答えがわからないまま
悪魔のような日々が続き
世間一般的に言えば大学生という歳になったある日
殴られた弾みで棚に頭をぶつけた俺は、傷口から血を流して倒れた
痛みや痺れがあり
視界もぼやける
そんな中、父さんは当然のように俺を跨いでどこかへ出かけて行った
“あぁ
このまま死ぬのか”
そう思うと 無性に悔しくて
あんな父親のために死ぬのは癪だ
生き延びて、いつか復讐してやる
そんな気持ちが
痛みに苦しむ俺の身体を動かした
久しぶりに見た空は、腹が立つくらい綺麗な青空で
道の真ん中で倒れた俺に気づいたおばさんの叫び声を聞きながら
ゆっくりと目を閉じた
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みっちゃん(プロフ) - レモンさんいつもお疲れ様です（ ; ; ）いつも作品読ませていただいてます。今回の作品も本当に大好きです！！！これからも活動頑張ってください！！応援してます！ (2020年3月29日 23時) (
レス) id: b9bee3a82b (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！セフン良かったですね！親すごいムカついたけどスカッとしました。次も頑張ってください、応援しています！ (2019年5月26日 15時) (レス) id: d9ea95abc6 (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - 楽しみに連載待ってます！応援してます！ (2019年5月17日 21時) (レス) id: 4ca93bc7ad (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ミサさん» ありがとうございます！そう言って頂けると励みになります(o^^o)のろのろですが更新頑張ります！ (2019年5月8日 18時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
ミサ - 読んでてすごい面白いです！これからも更新頑張ってください！楽しみにしてます笑 (2019年4月27日 23時) (レス) id: e0c9fa60e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2019年4月27日 14時
