猫 ページ6
ぐうぅぅぅー…
「あ」
静かな部屋に響いたお腹の音
そういえば
お母さんのために晩ご飯を作ったのに、何も食べずに行ってしまった
「……」
仕方ない。あの若者たちに食べてもらうか
「ボム、ヤン
おいで。ご飯食べよう」
にゃー
にゃー
「ジョンインくん、セフンくん
晩ご飯食べない？」
廊下から声を掛けると、ジョンインくんが部屋から顔を出した
「…いただいても良いんですか？」
「うん。大したものは出せないけど」
「でも俺 お金無くて」
「あはは、お金なんていらないよ。あたし1人じゃ食べきれないし、よかったらどうぞ」
「本当ですか…？
ありがとうございます。実は腹減ってたんです」
少し恥ずかしそうにする表情が可愛らしい
年下って感じ
「ということなので。セフンくんもよかったら来てね」
返事の無い部屋に向かってそう伝え、ダイニングへ
冷めてしまった料理を温め直し
小分けにしてテーブルに並べる
「わ…美味しそう」
「座って座って」
「……」
「セフンくんも座って」
無言で現れた彼は料理をじっと見つめている
お腹空いてたのかな？
「残しても良いしおかわりしても良いからね。
さ、どうぞ召し上がれ」
「いただきます！」
「……」
お肉を頬張って幸せそうなジョンインくん
無表情でおかずをもぐもぐするセフンくん
“人間連れて来るなんて何考えてんの！”って思ったけど
この子たちなら、猫たちを世話するのとあんまり変わんないかも
今のところ
「このチゲ すごく美味しいです」
「本当？口に合ってよかった」
「……」
「セフンくん、お茶飲む？」
「……」
飲むんだ
そして食べるんだ
こんなにガリガリだけど意外と食べるみたい
「……」
あの人
ご飯はどうしたんだろう
“こんな家に住むつもりはない”って言い切ったぐらいだから行くあてがあるんだろうけど
もし
この家にいるのが嫌で衝動的に飛び出したのなら
休む場所も
食べるものも
無いかもしれない
「……」
関係ないと思いつつ
どうしても気になってしまう
親子だなぁと感じる瞬間
「ごめん。ちょっと出かけて来る」
「え…もう暗いですよ？外」
「大丈夫。
食べ終わったら食器そこに置いといてね」
スマホと家の鍵だけを持って外に出る
あの人の連絡先も居場所も知らないので
探す方法は1つ
「タル〜
久しぶり。元気だった？」
お隣さんに譲った 可愛いわんちゃん
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
