複雑な思い ページ45
「お前がAヌナを病院まで連れて行け」
「え…」
「本当は俺が一緒に行きたいけど、俺は……訳あって、タクシーには乗れないから。
だからお前が行くんだ」
「……」
「ヌナはお前を追いかけてこんなことになったんだぞ」
「ジョンイナ
あたしは大丈夫」
「…行きます」
顔を上げて
ジョンインの目をじっと見つめる
「俺、行きます。
ちゃんと病院連れて行きます」
「これ以上ヌナに何かあったら許さないからな」
「はい」
正直 驚いた
セフンくんなら “俺には関係ない”って言うと思ったから
あんな表情も
ジョンインとまともに話すのも、初めて見た
「ヌナ」
「うん」
「俺、タクシーには乗れないですけど
バスか何かですぐ行きますから」
「大丈夫だよ。家で待っ」
「待ちません」
「……」
「行きます、絶対」
悲しそうな
苦しそうな
そんな顔であたしを見る
「…わかった。
気をつけて来てね？無理はしないで」
「はい。ヌナも気をつけて」
心配かけちゃった、よね
いくら緊急事態だったとはいえ、ジョンインを1人置き去りにして
追いついて来たときには手が血まみれ…
相当驚いただろう
申し訳なかったな
ーーーーー
ーーーー
ーーー
「…ありがとうございました」
傷口を何針か縫ってもらい、処置室を出た
ナイフを掴んだときよりも
局所麻酔をされたときの方が痛かった気がする…
痛いし
包帯ぐるぐるだし
当分は右手を使えない生活になるなぁ
利き手なのに…バカだ。左手で掴むんだった
「お待たせ、セフンくん」
ガバッと勢い良く顔を上げた彼は
包帯が巻かれたあたしの手を見て、複雑な表情を浮かべ
ボソボソと何かを呟いた
「……して」
「うん？」
「…
…どうして
あんなこと、するんです」
「え？」
「俺のことなんか放って置けば良いじゃないですか。なんでわざわざ自分から…」
どうやら
あたしがセフンくんを庇ったときのことを言っているらしい
困ったな
どうして、って言われても
「夢中だったの」
「……」
「“セフンくんが危ない” “助けなきゃ”って
それしか考えてなかった」
「…なんで、」
わけがわからない
そんな顔だ
「じゃあ、あたしも聞かせてもらうけど
なんで わざと相手を怒らせるようなことを言ったの？」
「……」
「あんな人たち相手に、あんな状況で、
ナイフを見ても動揺しなかったよね。
あのまま刺されてたかもしれないんだよ？」
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
