過去 ページ37
「さ、食べよ食べよ」
「いただきます」
「……」
出来上がった料理を並べて食卓を囲む
セフンくんはいつも通り無言で食べ始めた
「お味はどうですか？」
「美味しいです。やっぱりヌナが作るチゲは最高ですね」
「ふふ、ジョンインが手伝ってくれたから」
「いや…俺はちょっと…練習しないとダメです」
「そんなことないよ。上手だった！
セフンくんはどう？チヂミとか」
「……」
頷くだけで何も言わないけど、食べてくれたからきっと美味しいんだろう
よかったよかった
「いつも簡単なものばっかりでごめんね〜
今度ご馳走作ろうか。誰かの誕生日とかに。
ジョンインの誕生日っていつ？」
「1月14日です」
「1月か〜 まだ先だね。
セフンくんは？」
「知りません」
「え？誕生日だよ？」
「わかりません」
「……」
「0歳か1歳か、そのくらいの頃に捨てられたんで。誕生日どころか正確な歳さえわかりません」
「……」
何事もなかったかのように、ご飯とチゲを口に運ぶセフンくん
今
ものすごいことを聞いたような気がするんだけど
ちらっと横を見ると
ジョンインも驚いたようで、目を見開いて固まっている
「……あの…セフンくん」
「はい」
「…その……今まで
ど、どうやって暮らしてた、の？」
聞いて良いのか迷った
その所為で吃ってしまう
「施設です」
「…そ、そっか」
実にシンプル
親に捨てられるって、すごく悲しいことで
一生抱えていくような傷だと思うんだけど
セフンくんは当たり前のことのように淡々と話す
あまり気にしていないのか
それとも、平気なように振舞っているのか
「施設で暮らしてて…それで、うちの母がどうして」
「詳しいことは知りませんが、施設の管理者と知り合いみたいでしたよ」
「…なるほど」
あたしも詳しくは知らないけど、お母さんはよく色々なところに寄付をしていた
セフンくんがいた施設もそのうちの一つで
偶然出会った彼を家族として連れて来た
そういうことだろうか
「……」
誕生日もわからないくらい小さい頃に捨てられたなんて
ご両親もきっと事情があったんだろうけど
…どうしても、方法はそれしか無かったのかな
「施設はどんなところだったの？
皆さん、良くしてくれた？」
「見ず知らずの子どもをここまで育てるって、簡単なことではないとは思います。いくら仕事だとしても大変ですよね」
「仕事…か」
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
