まさかの登場 ページ31
「あー…買いすぎた。重い」
最近は買い物のとき、いつもジョンインが荷物を持ってくれていたから たくさん買っても大丈夫だったけど
今日は全部自分で持たなきゃいけないんだった
誰かと一緒に買い物するのが当たり前になるなんて
慣れってすごいなぁ
『あれ？Aちゃん』
「…
…あぁ」
1人でいるときに限って現れる
ちょっと面倒臭い人
名前は…確か
テヤンくん
『こんなところで会うなんて奇遇だね』
「ん、そうだね」
『買い物？すごい量。重そうだ』
「買いすぎちゃって」
『俺 持とうか？』
「え」
『これから帰るんでしょ？家まで送って行くよ』
「や…大丈夫。荷物持たせるなんて悪いし」
家まで来てほしくない
新しい家族のことを知られるのも面倒だし
『重たいものを1人で持って行かせるなんて出来ないよ。ほら、貸して？』
「いや、ほんと、大丈夫」
『遠慮しなくていいから』
遠慮じゃない
迷惑だって言ってるの
結構な力で買い物袋を引っ張られるので手が痛くなる
優しそうな顔して強引な人
「テヤンくん
本当に大丈夫だから離し」
「あの」
「？」
不意に肩をトントンと叩かれた
振り向き
背の高いその人を見上げる
「えっ！
な、あ、え？？
セフンくん？なんで…」
びっくりした
心底びっくりした
家の外で彼を見たのはこれが初めてだ
『Aちゃんの知り合い？』
「あぁ…うん」
まだ“弟”とは言えないよね
そう思ってセフンくんの方をチラッと見ると
彼はゆっくり口を開く
「俺 いらないですかね」
「へ…？」
「荷物、その人に持ってもらいます？」
「……」
何となくわかった
セフンくんは偶然現れたわけじゃなくて
たぶん
…いや、絶対
あたしが重い荷物を1人で運ばなくて済むように
ジョンインがここに来させたんだ
「いる！
手伝って！セフンくん」
『え、』
「わかりました」
『なんで？Aちゃん
これは俺が』
「ありがとう。気持ちだけもらっておくね」
『……』
「重いけど大丈夫？」
「まぁ。たぶん」
「ふふ、よろしく」
重たい袋を持たせると、セフンくんは少し眉間にシワを寄せた
それでも文句は言わず 静かに耐えている
無愛想だけどなぜか可愛げがあるよね、セフンくんって
「よし！帰ろう。
ありがとねテヤンくん
また大学で」
『…
うん。また』
不満そうな表情に気づかないフリをして
家までの道を歩き始めた
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
