他人 ページ25
『…
お嬢さんの言った通りだよ。
俺は金に困ってて…ジョンインが金持ちの家に引き取られたって噂を聞いたから、金目的で会いに来た』
「引き取る意思は」
『ない』
「わかりました。
では、もう二度とそんな気持ちでジョンインくんに会いに来ないでください」
『……』
「あたしが責任を持って彼を守ります。
もう他人じゃありませんから。
それでは失礼します」
ジョンインくんの腕を掴んで歩き出す
「Aさん…」
「帰ろう、ジョンインくん」
「……」
「あたしの弟なんて嫌かもしれないけど、形なんてどうでも良い。
ジョンインくんには帰る場所がある。それだけはわかってて？」
可哀想だからとかそういうんじゃない
ジョンインくんは良い子だから
あたしも自然と、何かしてあげたいと思えた
「あ！そうだ」
「？」
「あたし、夕食のメニューの希望を聞きに来たんだった。忘れてた」
危なくこのまま帰るところだ
「ジョンインくん
何か食べたいものある？」
「あー…っと、」
「あはは、ごめんごめん。いきなり聞かれても困るよね。
これから一緒にスーパー行って…はダメか」
「ダメ、ですか？」
「え？」
「一緒にスーパー」
「あ〜
だって、誰に見られるかわからないでしょ？その度説明するのも面倒だと思うし」
「……」
「複雑だから理解してもらうのも難しいだろうしね。変な誤解を生むのは避けないと。
やっぱりメニューだけ決めてもらって、買い物にはあたし1人で行く方が良い」
「あの」
「ん？」
「俺、一緒に行きたいです」
「え？一緒に？」
「はい」
「…でも」
「俺は誰に見られても大丈夫です。
Aさんさえ良ければ」
「あたしは…大丈夫だけど」
「じゃあ決まりですね」
そのときの笑顔はすごく自然で
あたしに気を遣って言ってるんじゃないんだとわかった
「誰かと一緒に買い物なんて何年振りだろ」
お母さんと買い物に行ったことはあるけど、それはまだあたしが小さかった頃の話
歳を重ねるごとに
いつの間にか、どこへでも1人で行くようになっていた
「嫌いなものってある？食べられないものとか」
「いえ、特にありません」
「わ〜 偉いね」
セフンくんは嫌いなもの多そうだな…なんて考えながら食材をカゴに入れていく
「Aさん
持ちますよ」
「へ？」
「買い物カゴ」
「いいよ、平気平気。重たいし」
「重いから俺が持つんですよ。貸してください」
「そう…？
ありがとう」
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
