しつこい ページ20
『で？どんな人？』
「…もういい。この話はおしまい。忘れて」
『えー！
無理無理、忘れられない！もっと恋バナしたーい！』
「恋バナじゃないってば」
『んもう。照れ屋さんなんだから〜』
ナリに相談したのは間違いだった
この子は男が絡むと何でも恋愛話にしてしまう癖があるから
『Aちゃん』
「あぁ…えーっと……確か」
『テヤンくん』
「そう、テヤンくん」
また面倒な人が来た
『偶然聞こえてきたんだけど
Aちゃん、好きな男が出来たの？』
「……」
『聞こえちゃった？あたしの声大きかったかなぁ、あはは』
確実に大きかった。拡声器だよ
「はぁ…」
『どんな男？』
「いや、」
『あたしも知りたい〜』
「だから、別に好きとかそういうんじゃなくて…ただ」
『ただ？』
「……何か、してあげたくて」
辛く苦しい経験をしたジョンインくんの傷を少しでも癒してあげたい
雨に苦しめられることなく
普通に、楽に、過ごせるようになってほしい
難しいことは考えてない
漠然と “力になりたい”と思っているだけ
『それって、好きなのとどう違うの〜？』
「本人が否定してるんだから違うんでしょ。とにかく違うったら違うの」
『ふーん？』
『Aちゃんって優しいんだね。やっぱり魅力的だ』
「はあ…それは、どうも」
苦笑いで応えてその場を乗り切る
あたしは今あなたの相手をしてる暇なんて無いんです。ごめんなさい
「じゃ、ナリ
また明日ね」
『ん〜 バイバイ』
今日も何の収穫も無いまま家に向かう
せめて晩ご飯はとびきり美味しいものを作ろう
ジョンインくんは何が好きかな
『待って、Aちゃん』
「え？」
講義室に置いて来たはずのテヤンくん
ついて来てたのか…
「何か、用？」
『今からどこか行くの？』
「ううん。家に帰ろうかと」
早く帰りたいからどいてください
『じゃあさ、俺とデートしてよ』
「……」
『美味しいものご馳走するから』
「ごめん。今日はちょっと」
『どうして？家に帰るんでしょう？』
「家に帰った後、一緒にご飯食べる約束してて」
『誰と？』
「そこまで教える必要無いと思うけど」
『さっき話してた男？』
「もういいでしょ。早く帰りたいの」
『答えてくれたら帰してあげる』
腕を掴まれて逃げられない
爽やかな笑顔が鬱陶しい
『誰と約束してるの？』
「だから、それは、
…あ」
偶然居合わせたその人は
露骨に嫌そうな顔をした
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レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
