自分なら ページ18
「ん…」
「あ、
起きた？ジョンインくん」
「……Aさん、？」
辺りを見回して
ゆっくりと身体を起こす
「大丈夫？」
「はい…
俺」
「ジョンインくん、部屋で倒れてたんだよ。
話しかけたんだけど返事が無くて。それで心配だったから
セフンくんにドア開けてもらって」
「そう…だったんですね。
すいません。ご迷惑おかけしました」
「ううん」
「……」
「あのね、ジョンインくん」
「はい」
君が知られたくないかもしれないことを聞いてしまった
ジョンインくんのことを知りたいなら本人から聞くべきだったのに
嘘までついて…情けない
「ごめんなさい」
「え？」
「あたし、お医者さんにジョンインくんの過去の話を聞いてしまったの。
入院してたことも聞いて、どうして倒れたのかもわかった」
「……」
「勝手なことをしてごめんなさい」
あたしが逆の立場ならどう思うだろう
会ったばかりの他人に自分のつらい過去を暴かれたら良い気はしない
どうしてそんな簡単なことも見落としたのか
「…
Aさん
顔を上げてください。
俺は大丈夫ですから」
「……」
「目の前で人が倒れたら、原因が気になるのは当然です。仕方ないですよ」
「でも…」
「本当に大丈夫なので 気にしないでください。
突然倒れて、驚かせてしまってすみませんでした」
気まずそうな顔をしたジョンインくん
申し訳ないな
君が謝らなきゃいけないことなんて何一つ無いのにね
「具合はどう？」
「もう平気です。心配おかけしました」
「よかった。
…じゃあ、帰ろうか」
「はい」
お医者さんや看護師さんたちに挨拶をして 病院を後にした
帰りのバスの中
ジョンインくんはずっと外を眺めていて
お互い何も話さないまま 家に着いた
「何かあったらすぐ呼んでね？
あたしじゃなくてセフンくんに言っても良いから」
「はい。ありがとうございます」
「ゆっくり休んでね。
おやすみなさい」
「おやすみなさい」
ジョンインくんが部屋に入るのを見送り
あたしは自室のベッドに寝転ぶ
「……」
両親を亡くす、って
どういう気持ちなんだろう
さっきまで傍にいてくれた人が突然いなくなって
もう二度と会えないなんて
想像だけでも苦しいんだから
現実になったら…きっと、受け入れられない
“悲しい”という言葉だけでは片付けられないし
たとえ自分が元気でも、“助かって良かった”とは思えないよ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 560人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「EXO」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモン(プロフ) - NATZUさん» コメントありがとうございます！私も早く打ち解けさせたいなぁと思ってます(笑)まだ暗い話題が多いですが、楽しくわいわい出来るように更新頑張ります！ (2019年2月23日 10時) (
レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
NATZU - 更新ありがとうございます！面白くていつも楽しく読ませてもらってます。あとの2人とも早く打ち解けられるといいなー(o>ω<o)応援してます、頑張ってください！ (2019年2月19日 4時) (レス) id: ab77782770 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモン
| 作成日時：2018年1月26日 6時
