契約恋愛【Ren.M】 (ページ16)

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退職と信頼ページ16

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蓮「これ飲んだら付き合おう」

『飲まなかったら？』

蓮「会うこともないな」

…酷なことを言うなぁ。

やってきた居酒屋で
度数の強いお酒を差し出されても。

『がんだから飲めないよ』

蓮「あのさ…本当にがん？」

『まだ嘘だと思ってるの？
　疑い深すぎるんじゃないの…』

蓮「本当なら家族と過ごさないと！」

『だから家族はいないってば』

蓮「…それも本当？」

この人は人を信用出来ないらしい、
まだ疑いの目をかけられている。

蓮「あまりにも明るく話すもんだから。
　もっと感情整えてから話してくんない？」

『…ずーっと家族のこと口にしてきたの、
　その度その度に泣けないでしょ』

蓮「それもそうか」

それから私たちは話に明け暮れた。

　

　

『出生の秘密が隠されたドラマが大好きなの。
　お金持ちの両親が急に現れたり！』

蓮「あぁ、そういうドラマ？」

『目白蓮みたいな財閥二世との恋愛も期待中』

蓮「その男の母親がお前の顔に水かけて
　カネ入った封筒渡すだろ」

『”あんたに息子は渡さないわ！”って？』

そんなドラマちっくな話しある訳、と
彼は言った。

『私、男の人に水かけたことあるよ』

蓮「っは！？」

『私の友達と浮気してたの』

現実の恋愛は汚らわしいからドラマで
癒やされるしか無い。

弱そうな男の人が格闘技を見るのと同じだ。

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