あなたの彼女は私でした2【及川徹】

#curt_05 ページ10

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思い返せば





それは、あまりに残酷な運命だった








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「…しんぞう、びょう。」







お母さんが観てたドラマで、
聞いたことがあった






その病名が、医師の口から出てきたのは小学生の時






生まれつき体が弱かった





それは年を追うごとに酷くなっていたのを、小さいながらもわかっていた







「20歳まで生きられるかどうか。」







数年後、医師が母にそう告げていたのを、



聞いてしまった








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それでも、出来る限り学校に行きたかった







同年代の友達と喋って、
流行りのアイドルやドラマの話をして






運動はできなくても、
体育の試合を観るのは面白かった







とりわけ勉強はすごく好きだった






知らないことを知ることが好きで








皆と同じように走り回って、遊んで







それができないけど、
勉強は同じようにできたから








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「…藤乃さんの成績なら、
白鳥沢高校も夢ではありません。」






中学の三者面談で、担任が強く言っていた





しかし、両親は首を縦に振らなかった







白鳥沢は家から遠い






通っている病院からも、遠すぎる






リスクが高すぎた






そもそも、
高校に行きたい私と






通信制に通ってほしい両親






その間に挟まれていた






けど、最終的には家と病院の中間にある
烏野高校なら、と認めてくれた






特進コースで頑張れば、
大学進学も夢ではない







そう思う私とは裏腹に、
両親は目先の私の命を大事にしてほしい。







ただその一心で、7限目まである特進コースは
認めてもらえなかった

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