あなたの彼女は私でした2【及川徹】

#curt_09 ページ14

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ある日の深夜






トイレに行きたくて、車椅子に乗った






けど、いつものトイレが中々開かなくて







仕方がなしに、
少し遠いナースステーションの方のトイレに行った







帰りはしんどいから
看護師さんに車椅子押してもらおう、




という企みまで立てていた







時は深夜






こんな時間に、
ついこの前まで死にかけていた私が徘徊するわけない







そう看護師さんたちも考えてたんだろうな







ナースステーションが近づくと







思いもよらない会話が聞こえてきた






・







・








・








・









「…えっ、この前の急患が、







Aちゃんのドナーなの？！」








・







・








・









ドナー








それは、脳死患者のこと






もしくは、植物状態もあり得る








そしてきっと









私に心臓をくれる人のこと









・









・









・









「そうみたいよ、〜〜先生が言ってたの。」






「あの先生お喋りがすぎるのよ、




極秘事項じゃない？！」






「本当ね〜。




なんだけど、こっから先が話の肝なのよ。」






・






・








・








・








「ドナーの子も、









Aちゃんと同じ歳で、同じ名前なの。









ちょっと、怖くない？」







・







・








・








同じ歳で






同じ名前







それはつまり







同じ高校生で






毎日が楽しいはずだった、女の子







・








・








「…まさか、何年も待って、








ついに順番が回ってきたと思ったら、







こんな不思議な巡り合わせがあるなんてね…」






「皮肉よね……。」







・







・







・









・









私は、静かに、聞き耳を立てていた

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