EXILE 医療センター19

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佐野side


一週間前から担当に入った高校一年の女の子。

先輩からは今の病状はもちろん、おとなしくて素直な子なこと、それから採血や点滴はかなり怖がってしまうことなど病状だけでなく性格や特徴を細かく聞いた。


慣れてくれるかな、と不安だったけど思ってたより平気だった。とはいっても年頃の女の子だから、丁寧に扱わないと辛い思いさせちゃうだろうし。



二日前から熱が出てて、昨日の夜ようやく下がったところ。一昨日、昨日は休みだったから先輩から聞いた。

てことは採血の検査も延期になってて。期限は明日の朝まで。

やっぱり今夜しちゃおう。と思って来たものの。



佐野『…大丈ー夫大丈ー夫、』



背中が震えて泣き出しそうになるのを堪えてる。


佐野『……先生もさ、採血すっごい嫌いだわ。笑、だから気持ち痛いほど分かるなぁ。』



『……せんせ、こわい？』


佐野『嫌いだよ、笑。看護師やってても苦手だもん。』


『…………』


佐野『……でも頑張ってきたんだよな、偉いな。』


頭をぽん、と撫でる。


『……が………ら、』


佐野『んー？』


『……がんばるから、ちょっとだけ待って……』


佐野『わかった。笑……、深呼吸、ふーっ。……』


吐く息が震えてる。




さりげなく用意をしながら心を落ち着かせる。

失敗なんて絶対できないな。


佐野『…あ、いい？よし、頑張ろ。

右でいこっか、ちょっとシート巻くぞ…』


『………っ、……』


佐野『大丈ー夫。笑、』

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