EXILE 医療センター19

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片寄side


先端恐怖症のAちゃん。

そんな子は珍しくなくて、だけどもう怖いと泣ける年齢でもないから必死で耐えてるのはよく見かける。



大半の看護師さんは忙しくて、てきぱきしなきゃいけないから少し厳しいけど。Aちゃんの担当の伸くんは優しく様子見ながらしてくれるみたいで。


ただこの薬は服薬できないみたいで。


たまたま通ったら、固定役を頼まれた。


片寄『ぎゅうってしてような、』


いたくない、なんて嘘はつけない。だからなるべく痛くないように、気持ちをほぐす。


鈴木『じゃあちょっとシートつけるよ…、ここ、でいこうかなぁ、』

伸くんが針を準備し始めたから、Aちゃんの目をさりげなく隠す。


片寄『ごめんよ、お目目隠すよ、……頑張ろうね、言うからね、大丈夫よ、』



『……怖いよ、……っ、』


片寄『怖いね、頑張ってるよ、』

鈴木『……じゃあ三秒だけ我慢な、』


『………、っ、……んっ、』



鈴木『よーし、……おっけ、頑張ったね、笑、』



片寄『終わったよー、笑、偉い偉い、』



よく頑張ってくれた。

伸くんも一回で針を入れてくれて。



安心して力が抜けたのか、ゆっくりもたれてきた。


鈴木『じゃあこれでしばらくそのままな。

ありがとう、涼太くん。

先生ちょっとここにいた方がいい？』


『……うん、ねむい。』


片寄『あまえっこちゃんじゃん、笑』


鈴木『珍しーい、笑、いいよ。』


よく頑張りました。ゆっくり少しでも慣れたらいいね。

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