EXILE 医療センター19

▽ ページ29

岩田side


外来に来る子で、悩みを抱えてくる子は少なくない。


中には俺の顔を見たとたんに泣き出す子も。

だいたいが学校のことだったり持病のことなんだけど、今回は家庭のこと。

結構珍しいことだから、対応に少し困った。


岩田『Aちゃん。


自分の口でお父さんとお母さんに伝えてごらん。

もちろん、Aちゃんのお父さんお母さんも心配だけど。先生は、それでAちゃんの体調が悪くなることも心配。


自分で自分の体守ってほしいから、今思ってることちゃんと言ってごらん。

な？大丈ー夫。もしさ、できなかったら電話してよ。明日、明後日先生いるから。

繋げなくても伝えてくれたら聞くから。』


うん、とうなづいたのを確認する。


岩田『Aちゃん、今日電車で来たでしょ。

そんな顔で電車で帰せないから、先生送ってってあげよっか。な。』


顔の赤みはしばらく引きそうになくて、これではもう電車では帰らせない。

Aちゃんの家に電話をし、帰りに車で送って行く。

岩田『落ち着いた？笑

家の近くになったら家教えてもらうけど、それまで寝ててもいいよ。』

うとうとして、首がぐらぐら。

毎日学校通って頑張ってるもんなぁ。

声をかけて時間もかからないうちに、熟睡。

家に送り、少しだけ事情を説明する。

お母さんはかなり驚いて、同時に反省もされてた。

翌日、電話でお母さんとお父さんが仲直りしたと連絡があった。

声がまた元気に戻ってて、心から安心した。

#救急搬送→←#帰りたくない

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