EXILE 医療センター19

涙ぽろぽろ ページ22

岩田side


岩田『おはよ、どした、笑』


ここは小児心療内科。

この子は軽いうつを患ってる高校一年生の女の子。


軽いうつの症状として、涙が止まらなくなることがある。

昨日の夜からそんな状態みたいで、心配したお母さんが朝の外来に連れてきた、と。


この外来で働いていると、珍しくない光景。


岩田『昨日からずっと泣きっぱなし？

……、んー。笑、しんどいなぁ。もっと早く病院来たらよかったのに。』

『……薬、飲んだからとまると思ったんだけど…』


岩田『今まで薬で涙止まったことあった？

ないでしょ、それが現実。それが今のAちゃんの状態。』


『……』


岩田『今はちょっとお薬の力借りて楽になろう。

どうせまたお薬減らしてほしいと思ってただろ、笑。』


坑うつ剤の副作用で眠くなったりむくんだりするみたいで、ずっと薬を減らしてとお願いしてくる。

だけど止めたらもっとしんどくなるのも本人は知ってる。


『せんせ……、なおる…？』



岩田『ん。

うつはね、ゆっーくり治る病気なのは知ってるよな。

だからどうするのが治る近道なんだったっけ、』


『……頑張りすぎないこと。』


岩田『そうそう。

難しいけどな、頑張りすぎないのって。

……、ご飯食べれてない？』


『……え、』


岩田『怒ってないから。笑

ちょっと痩せたんじゃない？

おいで、』



なんだか腕が少し細くなった気がして。
。

早く気づいてあげないと、本人が後々辛くなってしまうから。


体重計に乗らせると、確かに先月から4kg痩せてた。

薬の副作用が強めに出始めた。薬を変えたほうがいいな。



岩田『んー、ちょっと痩せたね。

大丈ー夫、薬の副作用が強く出ちゃっただけだから。

ちょっとお薬変えてみよっか。ね、』


『……やだ……』


変化を嫌うAちゃん。怖いんだろうな、今も不安なのに。



岩田『良くするために変えるんだよ。また悪くなったら変えるから。』

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