EXILE 医療センター19

▽ ページ11

佐野side


佐野『ここでいこうかな……、ん、じゃあ頑張るよー、』

『………っ、んっ……』


びくっと手を引きそうになったAちゃんの腕をしっかり押さえて針を刺す。


佐野『……我慢してね……』



刺してしまうと痛みはもうない。



佐野『………ん、終わり。よく我慢したね、頑張った。』



検体を持っていってからまた帰ってくる。


佐野『……めっちゃ疲れてんじゃん。笑、』


『………』


佐野『頑張ったもんな、笑

あ、消灯時間過ぎてる。もう寝ないと。』


『………うん。』



佐野『寒くない？』


『……うん。』


佐野『…足首冷えてるけどね。笑、

暖かくして寝ろな、おやすみ。』

『………』



Aside


他の看護師さんと違って佐野先生は、たくさん気遣って採血してくれるし、たくさん誉めてくれる。

だから採血だって頑張った。


いつも寝る前はあんまり誰も来ないから寂しいとか思わないけど。

佐野先生が来たから少しだけ寂しくなっちゃって。


佐野『じゃあおやすみ、…』


そういって佐野先生が部屋を出ようとしたとき、


『……やっぱり、寒い……』


そんなに感じてなかったけど、でも言ったらまだ居てくれるかな、なんて。


佐野『………、湯たんぽ持ってきてあげよっか。笑』



そう言うと湯たんぽを用意してくれて。


佐野『……これでよーし。…寝るまでいるよ、笑』



やっぱりばれちゃった。


恥ずかしくなってうつむいたのを佐野先生が笑ってる。



佐野『暖かいでしょ、笑、これで快適だ。』



『……うん、』



隣で先生がカルテを書いてる。

隣に人がいるのに安心して眠気が。


佐野『……、おやすみ、』


おやすみなさい。

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