EXILE 医療センター18

▽ ページ25

山下side


山下『A入るでー、』


入るとAはぼーっと泣きそうな顔をして座っていた。

泣きそうなとき、昔からくちびるを少し噛んでうつむくくせは変わらへん。


山下『えらい緊張してるやん、笑』


『だって……』

山下『ん？』

『……』

山下『うん、不安なんやんな。よしよし、大丈ー夫大丈ー夫。』


ずっと泣くん我慢しとったんやんな。

つらい検査も我慢して明日は手術やねんもん、そら不安になるし怖いよな。


『…いまいちせんせっ、やさしっいのにっ、こわいってっ、おもっちゃってっ、っ、……』


山下『うん、嫌な検査あるもんなぁ。

いくら優しくても怖いなって思うことあるなぁ、』

『……っ、よく話してくれるっのに、上手にっ、話せないっ、んっ……』


山下『ゆっくり話し。先生聞いとるから、』


『…あしたっ、手術やぁだっ、やだぁっ…』


山下『ん、よしよし、そやなぁ……』


初めて見たっていうくらい泣いてる。


あまりにも震えてるから落ち着かせるために膝の上に座らせて抱き包むように背中を撫でる。


山下『…今な、Aの子宮に塊ができてんねん。小さいけど、貧血とか生理痛とかいろいろ症状出てるやろ。

とってしまった方が楽になるねん、でも怖いし検査もいややな。


うーん、ほんなら様子見る？』

そう言うことじゃないのは分かってる。手術した方がええことはAも分かってるんやろう。


俺にしがみついてやだやだと繰り返す。

山下『分かったからちょっと落ち着き。笑

な、そんな泣いて苦しいやろ、ゆっーくり深呼吸してみ、』


聞きつけたのか隆二が控えめにこっちを見てて。


山下『A、隆二来てくれたで、ちょっとお話しよう。な？』


怖くないから大丈ー夫、となだめて落ち着かせる。



今市『ごめんねAちゃん。怖い検査ばっかりで嫌になるよね、』


山下『A、今の担当の先生は俺じゃなくて隆二やねんで、さっきいっとったこと自分で話し。

ちゃんと話聞いてくれるから。』


『……んううぅ……』


今市『Aちゃんの話聞かせてくれる？ゆっーくりでいいから、先生聞きたいな。』


Aをベッドに座らせる。

そんなAと目線を合わせるようにいつもより穏やかな顔でAが話すのを待つ隆二。

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