灼熱

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全員の視線の先にはドレスを身に纏った一人の女性。


臣「あ、、、」


それは、紛れもなくあの日の彼女。


Aだった。


白い肌に真っ赤なドレスが映え、
アップにされた栗色の髪にはラメが散りばめられていた。

優雅でいて、繊細。
美しいという形容詞がとても似合う姿だ。


胸が高鳴る。
身体が熱くなる。


彼女は全員の視線を集めながら店の奥に進み、
直己さんの横に立った。



臣「ねぇ、岩ちゃん」

岩「はい？」


シャンパンを運ぶ岩ちゃんを呼び止めて


臣「あの女の人誰？」


そう問えば


岩「あ、Aさんですか？」
そう答えてくれた。


岩ちゃんも知っている？
有名なVIP客だろうか。

いや、でもあの格好は、、、



岩「あ、あのoceanのホステスですよ。」

臣「ホステス、、、？」

岩「いつ見ても綺麗っすよね。直己さんが羨ましい」


チラリと彼女を見れば
直己さんの腕にそっと手をかけていた。


彼女を幸せそうな顔で目で見つめる直己さんに、少しだけ嫌な気分がした。



臣「直己さんとは？」

岩「え？臣さん知らないんすか？結構前から付き合ってるって業界でも有名ですよ。だから、二人とも指名枠から外れてるって。」





目の前が真っ暗になった。


彼女は、、、





すでに直己さんのものだった。

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