灼熱

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それからカフェで食事をして、
ショッピングをして、ずっと見たかった映画を２人で見た。


ぎこちなく手を繋ぎながら歩くと

『臣くんって、見た目と好みが一緒でビックリした。』


不意にAさんが呟いた


臣「俺はAさんと見たい映画被ったのが驚きだったけどね」

『だって、カール・ラガーフェルド尊敬してるもん』

臣「それ嘘っぽいでしょ」

『うん。嘘。』

臣「え？嘘？」

『うん。』



悪戯そうに笑ったAさん。


『だって、臣くんならカール・ラガーフェルド好きそう。って思ったから』


少しだけ落ち込んだ。

だって、

何の映画見たいか、せーので指さししたら同じ映画だったから、、、


勝手に好みが合ってるのかと思って嬉しかったんだ。


臣「じゃぁ、つまらなかったでしょ？」


気を使わせてしまったことに
申し訳なく思いながら聞くと



『ううん。すごく良かった』


微笑んだAさんはそう言って
更に言葉を続けた


『なんか、臣くんの好きなものもっと知りたいって思ったの。』


伏せ気味だった視線を上げれば、

今度は恥ずかしそうな笑みを見せたAさん。




あぁ。


もう。


反則。



手を引いて引き寄せれば、すっぽりと俺の腕の中に収まる。



『臣くん。みんな見てる、、、』

臣「知らない」

『臣くん、、、




好き、、、』




初めて彼女の口から溢れた言葉。


本心なのか

偽りなのか



分からないけど


きゅっ
と、背中に回された手の力に




本心だと信じたくなった。

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