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「胡蝶のとこで検診受けてこい」
『え?』
「何度も言わせんな。」
翌朝、実弥さんがご飯を食べながらぶっきらぼうに言った。
それは
私の体を気遣って?
「今が大切な時なんだよ。迷惑かけんな」
もし病気になっていたら
実弥さんに迷惑がかかる。
そういう事か。
『すみません』
「なんだよその顔」
『え?』
「辛気臭い顔すんな。飯が不味くなるだろうがぁ。」
そう言って
久しぶりに食べてくれていた朝ごはんの箸を置いた。
心を無にして片付けをする。
2年前の今頃から
しのぶさんから検診を受けることが多くなった。
また注射をされるのか。。。
憂鬱な気分で蝶屋敷の門をくぐると
賑やかな声がした。
「どうせ迷子になってたんだろ?」
「ちげぇよ!子分を助けてたんだよ!」
「またそんな夢見ちゃってぇ」
「うるせぇ紋逸!」
「2人とも静かに!アオイちゃんに怒られるぞ」
どこかで聞いたような声がひとつ。
庭で走り回る猪頭を見つけてなんだか心が温かくなった。
彼もまた鬼殺隊の一員だったのだ。
周りの子の年齢からして
15歳あたりだろうか。
こうしてみると、幼さを感じて
微笑ましい限りだ。
不意に猪の彼と目が合った。
「あ!!!」
反射でお辞儀をする。
「あいつ!子分!」
そうして、私目掛けて走ってくると
私の手を掴み
少年等の元へ全力疾走。
苦しい。。。。
「子分って、女の人だったの?」
市松模様の少年が、すみませんというように微笑んだ。
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作者名:あい | 作成日時:2020年12月27日 17時