傍に居ることが3 (ページ8)

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ポケットの中で繋がれた手は熱を持って、
少し汗ばんでいた。

するりとAの手が離れると
冷たい空気が入った。

俺はポケットから両手を出すと、
拳を握る。

ずっと温めていた気持ちを
伝えなければならないと思った。

伝えるなら

今だ。

臣「A」

俺を見上げたAと、自然に向き合う形になる。

臣「ちょっと、真面目な話いい？」

『うん。』

臣「岩ちゃんとAの関係を壊したいわけじゃないんだ。それだけは前もって言っとく。」

『うん』

臣「

Aが好きだ」

『え？』

Aの顔を見れば見開かれた瞳。

臣「中学生の頃からずっとAが好きだった。変って思うかもしれないけど、ずっとAが好き。今でも変わらない。」

『え、、、待って、臣が、私を好き、、、なの？今でも？』

混乱した様子のAは、
やっぱり眉を下げていた。

臣「うん。今でも好きだよ。」

まっすぐ見つめて言えば、潤む瞳。

Aの頬を一粒の涙がつたった。

『ごめんね』