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英徳学園の幼稚園には1年間だけ通っていた。


晴くんは、その時の友達だったようだ。



お母さんのモデル活動が忙しくなってから、
家族ぐるみで仲の良かった天馬くんと同じ幼稚園に通うことになったらしく、

全く覚えていなかった。


小さい頃、高橋が作っていたアルバムを見返すと、
英徳の写真を見つけた。



『これかな?』



どの写真にも一緒に写ってる男の子。

どこか晴くんの面影がある。



『仲良かったんだ。。。』



手を繋いで歩いてる写真。

一緒にお弁当を食べる写真。



『思い出した』



今のツンっとした態度で分からなかったけど、
当時の晴くんは泣き虫で、優しくて、女の子みたいな男の子だった。



そのままアルバムをめくると、
今度は天馬くんが頻繁に出てくるようになっていた。



ほんと、小さい頃から仲良しだったな。。。



それが、今では婚約者がいるなんて。

少し信じ難いけど、

幼馴染としては、応援しなきゃいけないと思う。



控えめなノックが聞こえる。


ノックの仕方で天馬くんが来たということが分かってしまうくらいに、私達はずっと一緒にいたんだと気づく。



「天馬です。入ってもいいかな?」

『どうぞ』



床にアルバムを広げているのを見て、天馬くんは顔を緩ませた。


「懐かしいの見てるね」

『お母さんと話してるの見たら、見たくなっちゃって』

「そうか。お母さん帰ってきてるんだったね。」



よかったね。


と言って頭を撫でてくれる天馬くんは、
小さい頃から寂しさを堪えていた私の気持ちを
1番分かってくれている。



『見て。この天馬くん、すごくやんちゃだね』



ケーキを頬に付けながら頬張っている天馬くん。

今の姿からは想像出来なくて、クスッと笑ってしまった。



「あのね。A。」



真剣な天馬くんの声。



『ん?』

「今日、音さんと会ってくるよ」




天馬くんの瞳が揺れた。


その瞳を見ていられなくて、私は目を逸らした。




『そうなんだ。いい人だといいね』

「Aは、僕の婚約のこと、応援してくれるの?」




ぎゅっと拳を握った天馬くん。

自信が無い時の癖。



『もちろんだよ。天馬くんが幸せになることは、私も嬉しいよ。』




天馬くんの大きな手が私の頬を包む。




「僕はAのことが好きなんだよ」




ドクン。





心臓が大きく脈打つのを感じた。

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設定タグ:花のち晴れ , 馳天馬 , 平野紫耀   
作品ジャンル:恋愛
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あい(プロフ) - ひなさん» ありがたい言葉! これからもよろしくお願いします(^-^) (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 早速の更新ありがとうございます(о´∀`о)読ませて頂きました☆引き継ぎあいさんのペースで書いて頂ければと思います(^^) (2018年7月20日 21時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!更新間隔があかないように頑張ります(^-^) (2018年7月20日 20時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - なかなか無い作品です!続きがとても気になります♪ (2018年7月20日 15時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あい | 作成日時:2018年7月17日 21時

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