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天馬side
江戸川音さんとは、母親同士が同級生だったせいか、
幼い頃から面識はあった。
祖母が婚約を決めたそうだが
意気投合した母親達を見て、なのか、
何度かしかあったことがないのに、親しげに話す僕達を見て、なのか。
せっかちなお祖母様がAとは馬が合わなかったからなのか。
理由は分からないけど、
僕と音さんが婚約したという事実には代わらない。
タブレットを取り出し、放課後補習の数学の用意をしていると
近衛が駆け寄ってきた。
「馳さん!Aさんが!」
Aの名前を聞くだけで、途端に余裕が無くなる。
「落ち着いて。近衛。」
落ち着くのは僕の方だ。
「来たら分かります」
近衛が僕の腕を掴み走り出した。
足を止めたのはAのクラスの前。
中からは騒がしい声が聞こえる。
慌てて扉を開けると、
「やっぱり白峰さんにして正解だったわね! 」
「ほんと!似合う!」
学友の中心で恥ずかしそうに立つA。
柔らかな栗色の髪の毛は、高い位置で2つに結われ、揺れている。
頭にはうさぎの耳。
真っ白の短い丈のワンピース。
胸元が際どくあいたデザインはAに似合っているんだけど。
『天馬くん?』
僕の存在に気づいたAがふわりと笑った。
ダメだよ。
そんな格好、他の男に見せたら。
僕は自分が着ていたジャケットを脱いでAの肩にかけた。
『体育祭で仮装するんだよ』
ふにゃりと笑ったAに苦笑した。
「馳さん。わざわざ見にいらしたんですね」
「さすが幼馴染ー」
クラスの生徒がAを茶化す。
ふと隣を見ると近衛の姿はなくて。
時計を見ると補講が始まる時間で。
慌てて廊下に出ると
笑いを含んだ近衛がいた。
「近衛。急用以外であんな報告の仕方はしないで欲しい」
「でも、来てよかったんじゃないですか?」
確かに、あんな姿。。。。
僕が知らないところでされたくないけど。
軽く近衛の肩に拳をあて、教室へと急いだ。
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あい(プロフ) - ひなさん» ありがたい言葉! これからもよろしくお願いします(^-^) (2018年7月24日 21時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 早速の更新ありがとうございます(о´∀`о)読ませて頂きました☆引き継ぎあいさんのペースで書いて頂ければと思います(^^) (2018年7月20日 21時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!更新間隔があかないように頑張ります(^-^) (2018年7月20日 20時) (レス) id: 5d891c1c69 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - なかなか無い作品です!続きがとても気になります♪ (2018年7月20日 15時) (レス) id: 4d0c37ce82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2018年7月17日 21時