花恋

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武道場を出ると、




「上手くいったか？」



少し掠れた声の神楽木くんが
心配そうに近寄ってきた。




『なんとか。』






遡ること1時間前。







校門の前に英徳の制服のイケメンがいる。と
噂が聞こえて窓から外を見ると

C5のブラックジャケットを着た人影か微かに見えた。



あれは、多分、




『神楽木くん。。。？』




というか、
C5で知ってる人は彼しかいないんだけど。




天馬くんと近衛くんは武道場で剣道の練習だし。。。




走って校門の前に来ると、





『やっぱり神楽木くんだ』




疲れたのか、
校門の前にしゃがみ込んだ神楽木くんがいた。



「やっと来たな」

『え？』

「お前を待ってたんだよ」

『なんで？』





神楽木くんと目線を合わせるように、
目の前にしゃがみこむと、





「近ぇーよ」




と言ってそっぽを向いた。




『私に用事なの？』

「用事っていうか。。。馳は今何してんだ？」

『天馬くん。。？』





天馬くんの名前にあからさまにテンションが低くなってしまう。




『天馬くんは、今剣道の稽古中だよ』

「ふーん。」

『天馬くんに用事なの？』

「だから、お前にだって。てか、馳となんかあったのか？」




なんでこの人に相談しようと思ったのかは、
分からない。




けど、

なんとなく、





接点の薄いこの人になら


くだらない話でもできると思った。

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