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「で、背中も痛いんでしょ?」
泣き止んだ私が岩田くんから離れると、
彼は私の顔をのぞいて、眉を下げた。
『少しだけ。』
「保健室、、、は、閉まってるか。」
外は少し薄暗くなっていたから。
私たちも帰らなきゃいけない時間だろう。
「ねぇ、嫌かもしれないけど背中めくるよ。」
『え?』
私が否定の言葉を発する前に、スカートに入れられたブラウスが引き抜かれて、
背中に空気を感じた。
「赤くなってる。」
背中をまじまじと見る岩田くんに、恥ずかしさを感じる。
「ちょっと持ってて」
そう言って私の手にブラウスの裾を持たせると
岩田くんは鞄の中をまさぐった。
すごい物で溢れてる。
岩田くんって、案外片付けとか苦手なのかも。
そんな事を思っていると、今の自分の格好を思い出して、内科検診を連想してしまった。
「あ、あった。」
彼の手には
『湿布?』
「そう」
『なんで持ってるの?』
「まぁ、モテル男には色々あるのよ。」
少しドヤ顔をしながら冷却湿布のシートをぺろりと剥がし、
何も言わずに私の背中に貼り付けた。
『んっ!!!!』
冷たさに肩をびくつかせると、
それを見た岩田くんは声を上げて笑っている。
『最低!!』
「え?湿布貼ってくれてありがとうございます、剛典様だろ?」
『もう!』
反論しようとしたけど、辞めた。
だって、
一瞬、岩田くんが切なそうに笑ったから。
「帰るか。」
『そうだね。』
外はまた1つ薄暗くなった。
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あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» 私もloveちゃんに癒されてるから頑張れるよー! 相変わらずのシリアスでしんみりさせちゃうね。笑 (2016年2月17日 17時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
EXILE一族LOVE - 大量更新!!! 続きがきになるー!笑 私もありがとう! あいさん大好きー! 最近良いこと無くて嫌だったけどあいさんのおかげで頑張れる!笑 あいさんも頑張って! (2016年2月13日 14時) (携帯から) (レス) id: 95448f39b5 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - れなさん» ありがとうー!ゆっくりしすぎてしまった。。。笑。更新久々すぎて、自分でも内容忘れかけてたよ。放置はダメですね。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - そらさん» 応援ありがとうございます!今日はもうちょっと更新しようと思います。通知うるさかったらごめんなさい。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» あけました!おめでとうございます!笑 。今年も書きたいのが溜まってるけん、更新頑張るね。笑←。 ほんと、ありがとう!だいすきやーー! (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2015年10月21日 22時