検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:549,211 hit

58 ページ8

「で、背中も痛いんでしょ?」




泣き止んだ私が岩田くんから離れると、
彼は私の顔をのぞいて、眉を下げた。





『少しだけ。』

「保健室、、、は、閉まってるか。」




外は少し薄暗くなっていたから。



私たちも帰らなきゃいけない時間だろう。









「ねぇ、嫌かもしれないけど背中めくるよ。」

『え?』





私が否定の言葉を発する前に、スカートに入れられたブラウスが引き抜かれて、
背中に空気を感じた。









「赤くなってる。」







背中をまじまじと見る岩田くんに、恥ずかしさを感じる。





「ちょっと持ってて」







そう言って私の手にブラウスの裾を持たせると
岩田くんは鞄の中をまさぐった。



すごい物で溢れてる。


岩田くんって、案外片付けとか苦手なのかも。






そんな事を思っていると、今の自分の格好を思い出して、内科検診を連想してしまった。







「あ、あった。」




彼の手には

『湿布?』

「そう」

『なんで持ってるの?』

「まぁ、モテル男には色々あるのよ。」






少しドヤ顔をしながら冷却湿布のシートをぺろりと剥がし、

何も言わずに私の背中に貼り付けた。





『んっ!!!!』





冷たさに肩をびくつかせると、
それを見た岩田くんは声を上げて笑っている。





『最低!!』

「え?湿布貼ってくれてありがとうございます、剛典様だろ?」

『もう!』






反論しようとしたけど、辞めた。






だって、



一瞬、岩田くんが切なそうに笑ったから。









「帰るか。」

『そうだね。』







外はまた1つ薄暗くなった。

59→←57



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (342 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1056人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» 私もloveちゃんに癒されてるから頑張れるよー! 相変わらずのシリアスでしんみりさせちゃうね。笑 (2016年2月17日 17時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
EXILE一族LOVE - 大量更新!!! 続きがきになるー!笑 私もありがとう! あいさん大好きー! 最近良いこと無くて嫌だったけどあいさんのおかげで頑張れる!笑 あいさんも頑張って! (2016年2月13日 14時) (携帯から) (レス) id: 95448f39b5 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - れなさん» ありがとうー!ゆっくりしすぎてしまった。。。笑。更新久々すぎて、自分でも内容忘れかけてたよ。放置はダメですね。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - そらさん» 応援ありがとうございます!今日はもうちょっと更新しようと思います。通知うるさかったらごめんなさい。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» あけました!おめでとうございます!笑 。今年も書きたいのが溜まってるけん、更新頑張るね。笑←。 ほんと、ありがとう!だいすきやーー! (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あい | 作成日時:2015年10月21日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。