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その日1日はポケットの中身に気を取られて、
何が起きたかなんて覚えていなかった。
「佐々木。冬休みの宿題はちゃんと出すんだぞー」
先生の小言をもらうと、1日を終えるチャイムがなった。
走って教室を飛び出る部活生と、
机の中の教科書を鞄に入れる帰宅生。
私は椅子に座ったままぼんやりと黒板を見つめた。
「帰んないの?」
聞こえた声に振り向くとキコちゃんが眉を下げて私を見ていた。
どうしてそんなに悲しそうな顔をするの?
なんて思ったけど、キコちゃんの目線の先には、私を迎えに来た登坂くんが映っていて、
そういう事だったんだと
今度は私が眉を下げた。
「佐々木さん。帰ろ。」
その声がぼんやりとした頭の中に響いて立たなきゃいけないのに、
胸が苦しくて、
どうしようもくなって
目の前が霞んで見えた。
胸に手を当ててゆっくりと息を吸い込むと、心配した顔の登坂くん。
「なにぼーっとしてんの?」
私の頭に乗せられた手はあったかくて嬉しいのに、キコちゃんの視線が苦しい。
『これ、2人にあげる!』
私はポケットの中で握りしめたチケットを取り出し、登坂くんの手に握らせると
鞄をつかみ走り出した。
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あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» 私もloveちゃんに癒されてるから頑張れるよー! 相変わらずのシリアスでしんみりさせちゃうね。笑 (2016年2月17日 17時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
EXILE一族LOVE - 大量更新!!! 続きがきになるー!笑 私もありがとう! あいさん大好きー! 最近良いこと無くて嫌だったけどあいさんのおかげで頑張れる!笑 あいさんも頑張って! (2016年2月13日 14時) (携帯から) (レス) id: 95448f39b5 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - れなさん» ありがとうー!ゆっくりしすぎてしまった。。。笑。更新久々すぎて、自分でも内容忘れかけてたよ。放置はダメですね。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - そらさん» 応援ありがとうございます!今日はもうちょっと更新しようと思います。通知うるさかったらごめんなさい。笑 (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - EXILE一族LOVEさん» あけました!おめでとうございます!笑 。今年も書きたいのが溜まってるけん、更新頑張るね。笑←。 ほんと、ありがとう!だいすきやーー! (2016年2月8日 16時) (レス) id: 4a945efc3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あい | 作成日時:2015年10月21日 22時