私の彼氏は、私の友達が好き。2

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「友達が入院してんだ」




登坂くんがそう言ったのは、初めて出会ってから１ヶ月が経った頃。




季節は冬を迎えようとしている時だった。








『そうなんだ』







屋上のベンチに座って、何気なくつぶやかれた言葉は、それ以上の広がりを持たず


ただ沈黙が流れるだけ。






この頃の私は、登坂くんに対しての憧れの気持ちを抱いていた。


だから、分かった。





登坂くんは恋をしているんだと。






そして、その相手はきっと入院している友達。





だから、私は片思いのまま終わらせるつもりで登坂くんへの思いを誰に伝えることもなかった。






年が開けた頃にも私はまだ入院していたけれど、

登坂くんはぱったりと来なくなった。








それは登坂くんの友達が退院したってことだろう。







きっと彼は思いを告げるんだろうし、そうすれば私の恋は本当の終わりを迎える。






なんて、小説の文言じみたことを思っていたのを今でも覚えている。







忘れるはずだった恋心は、
高校入学時の再開を通してもう一度思い出すことになった。







「迷子なの？」







私に差し伸べてくれた手は懐かしくて、
私のことなんか全く覚えていなかったことにショックを受けつつも








この恋を今度はなかったことにはしないと


誓ったんだ。

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