私の彼氏は、私の友達が好き。2

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小林先生はわたしの様子を見に来たと言ってたけど、
用事はそれだけではないように思えた。




何も言わずに帰ってしまったけど。







風呂を済ませ自室のベッドに寝転ぶと、
初めて登坂くんにあった時のことを思い出した。





それは、高校入学より少し前。




中学２年の時。







病院に入院することの多かった私は、友達の御見舞に来た登坂くんと会った。





「なにしてんの？」





パジャマを着たまま屋上のフェンスから身を乗り出していると、
後ろから声をかけられた。






『病室に居たくないんです 』

「なんで？」

『薬、使いたくないから、、、』







強い薬を投与しているせいか、
私の髪色はくすんだ色になってしまった。



私は、肩まで伸びた髪を指に絡ませると
ゆっくりとはなした。








「髪色気にしてんの？」

『だって、汚い色ですよね』

「別に。」

『でも』

「俺はそういう色好きだよ。」








名前なんてお互いに名乗らなかったし、
自分たちの素性も何もかも話すことは無かった。



でも、登坂くんを待つように、私は毎日屋上に行ったし、

登坂くんは毎日屋上に来てくれた。




ただ、二人でいる時間だけはお互いの辛い時間を止めることが出来た。



当時の登坂くんの気持ちなんて、知らないんだけど。






少なくとも、私は登坂くんに心を許していた。

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