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「しかし、先日の一件もありますし……。真逆マフィアに暗殺されたとか……」
敦さんの心配を、国木田さんは「阿呆か」と一蹴する。
「あの男の危機察知能力と生命力は悪夢の域だ。あれだけ自 殺未遂を重ねて、まだ一度も死んでない奴だぞ。己自身が殺せん奴を、マフィア如きが殺せるものか」
それは至極最もな意見ではあるのだが、浮かんだ不安は解消されず、私は続いて聞いてみた。
「今更自 殺に成功した可能性はあると思いますか？」
「真逆、ありえんだろう。それとも彼奴が探偵社に入ってからの二年、一体どれだけ自 殺未遂を繰り返したか聞きたいか？」
「…いえ、遠慮します」
一寸形容しがたいレヴェルで真に迫った国木田さんの表情から、それの後始末に彼が駆けずり回ったことが容易に窺え、「お疲れ様です」と小さく口にする。
どうやら太宰さんが自 殺に成功する日は未来永劫ないと考えた方がよさそうだ。本人はきっと諦めないだろうが。
(本当に国木田さんがいつか倒れないか心配)
確か昔、彼は「自 殺未遂を志すべきなのだ」などと云っていた覚えがある。全く以て意味が判らない思考回路だが、もし今もそれを志しているならやめる訳がない。勿論、国木田さんの為に絶対に口にはしないが。
それでもまだ心配らしい敦さんは「でも」と言い募ろうとするが、そこに、
「ボクが調べておくよ」
と突然声がかけられた。振り返ると、そこに居たのは。
「谷崎さん！無事でしたか！」
安堵の表情を浮かべる敦さんに、谷崎さんは医務室から出てきながらひらりと片手を上げた。最後に見た姿が重傷で意識のない状態だったので、元気そうな様子に私もほっとする。
希少な治癒の異能を持っているという与謝野
(それにしては、医務室からしたあの悲鳴が気になるけど)
治療をしている筈なのに聞こえた断末魔と、ダン！ダン！という固い何かを叩きつけるような、不穏な連続音を思い返していると、その谷崎さんが私に目を向けた。
「Aちゃん、ナオミにパーカー使ッてくれてありがとう。血の痕残ッてない？」
「大丈夫。与謝野女医が落としてくれたから。ところで治療中にすごい悲鳴をあげていたけれど、何があったの？」
何の気なしに尋ねてみると、何故か谷崎さんの表情が盛大に引きつった。一体どうしたのかと疑問に思ったと同時、国木田さんが「……谷崎」と重々しい声を出した。
「何度解体された？」
(……え)
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霜夜華(プロフ) - ミオさん» ありがとうございます！大好きと言って頂けて本当に嬉しいですヽ(*´∀｀)ノ頑張って更新しますね！ (2020年3月12日 7時) (
レス) id: 647614d598 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - このシリーズ、本当に大好きです。続編も楽しみに待ってますね！ (2020年3月12日 7時) (レス) id: 181d62af7c (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - (^ー^)さん» 誤字ですね！すみません、修正します！ご指摘ありがとうございますー( ´ ▽ ` ) (2019年12月12日 1時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
(^ー^)(プロフ) - 広津さんが弘津さんになってます。 (2019年12月11日 23時) (レス) id: db654e8536 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2019年11月28日 1時
