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そのまま説教を始めた国木田さんに困りつつも、結局流す方向でいったらしい少年は、「ええと」と私と敦さんに話を向けた。
「改めて自己紹介すると……ボクは谷崎。探偵社で手代みたいな事をやってます。そンでこっちが、」
「妹のナオミですわ」
谷崎さんの隣に座る人質役の女学生が、ぎゅっと彼の右腕に抱きつく。そして何故か意味ありげな流し目を兄へ向けた。
「兄様のコトなら……何でも知ってますの」
……気の所為だろうか。兄妹ならば普通であろう発言が、どうにも別の方向を向いた意味に聞こえる。
何となく踏み込まない方がいいと脳が危険信号を発し始めたので、私はそっとお茶を口に含んだ。……が、あろうことか隣の敦さんが冷や汗まじりに追求してしまった。
「き――兄妹ですか？本当に？」
「あら、お疑い？」
無駄に色気を垂れ流し始めたナオミさんは恍惚とした笑みを浮かべて、谷崎さんの服の下に手を這わせる。もう流し目ではなく秋波を送っているようにしか見えない。否、これは完全に送っている。もうどう見ても間違いなく。
そんな状態で兄妹アピールをされてもどう反応していいか判らないので、取り敢えず目を逸らして黙殺することにした。世の中には知らない方が幸せな事もある。
「そういえば、皆さんは探偵社に入る前は何を？」
給仕の女性が卓上の皿を凡て片付けた後、敦さんはお茶を飲みながらふと尋ねた。しかし何故か誰もその疑問に答えず、不自然な沈黙が場に落ちる。一体如何したというのだろうか。
「何してたと思う？」
「へ？」
面白がるような笑顔で質問を仕返した太宰さんに、敦さんは疑問符を浮かべながら首を傾げた。
「なにね、定番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ」
愉快そうにする彼だが、彼の前職だけは絶対中てられないだろうと、考え始めた敦さんを横目に私は予測する。何しろ元ポートマフィア最年少幹部様なのだ。寧ろ云い中てられたら怖い。
(というか、太宰さんは前職を明かしているんだろうか)
ふとそんな疑問が浮かんだが、それは後の国木田さんの言葉によって解消された。明かしていないどころか、誰も中てられない所為で探偵社七不思議の一つにまでなってしまっているらしい。残りの六つが気になる所だが……。
(それ以上に懸賞金が七十万も懸かっているのがおかしすぎる。何やってるんだろうこの人達)
探偵の
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霜夜華(プロフ) - 有彩さん» 遅れましてすみません！公開しました！そしてお褒め下さってありがとうございます(*^_^*) (2019年11月28日 1時) (
レス) id: 64f91c64f2 (このIDを非表示/違反報告)
有彩 - とても面白くい作品です！！続編が、楽しみです！何日くらいに、なるのでしょうか！ (2019年11月28日 0時) (レス) id: b0517c2008 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - 細波幸近さん» ありがとうございます！のんびりですが、続きも頑張って書いていきますね！(*´ω｀*) (2019年11月16日 21時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - いつも読ませて頂いています!とても面白会です! (2019年11月16日 21時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
霜夜華(プロフ) - かぼすジュースさん» ありがとうございますー！ノロノロ更新ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: fee3f25fa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜夜華
| 作成日時：2019年6月10日 15時
