◇黒の末広 ページ33
目黒 side
グループでの仕事の時は、人数が多いからと楽屋を複数用意していただけることが多い。
分け方はその日によってまちまちだけど、基本的には静かになにかしたい組とそれ以外で振り分けてる。
今日の静かな楽屋には、
ふっかさん・岩本くん・こむ・阿部ちゃんといういつもの4人と、勉強教えて欲しいらしいラウールが入って5人。
俺・佐久間くん・舘さん・しょっぴー・康二の5人がもうひとつの楽屋。
まあ、眠いときのしょっぴーとか台本覚えたい俺とかが静かな楽屋を使うこともあるから人数は必ず5：5ではないんだけどね。
なんて思いながら前仕事から合流して、ふぅ、とひと息ついていたその時、ガチャ、と楽屋の扉があいた。
ノックも何も無いなんてメンバーかマネージャーしか有り得ない。
佐久間
「およ？お嬢どしたの」
『めめいる？』
佐久間
「ん、もう来てるよ！蓮〜、お嬢呼んでる」
来たのはこむだったらしい。
はい。と渡されたのはひとつの扇子。
俺の大切な大切な扇子だ。
『返ってきたよ』
目黒
「ありがとう、良かった…」
『そんなに大切にしてもらえるなんて思ってもみなかったよ』
ぎゅ、と戻ってきた扇子を握る俺を見て、そんなことを言う目の前のこいつこそが、この扇子をくれた張本人。
要が緩んでいたことは分かっていたが何かの拍子に中骨が折れてしまったので修理が出来ないか、とくれた本人に話を聞けば、この扇子の製作元ならば修理もできるだろうってことで預けたのが2ヶ月前。
例のごとく、こむのご友人さんはこの扇子の製作元の娘さんだからとこむ経由で修理の依頼をしてようやくかえってきた。俺の光といっても過言ではない扇子。
目黒
「すっごいすっごい嬉しかったんだよ。今でも俺の道標なんだ、こむのくれたこの扇子」
『そんな大層なものではなと思うけれどね』
まあ、これも渡しておくよ。
と渡されたのはそのご友人さんの名刺。曰く、製作元(家業)の広報として動いているらしいその方に連絡すれば融通聞いてくれるとのこと。
『それだけ大切にしてくれているのなら、きっとあいつの連絡先持ってて損は無いだろうから』
じゃ、また後で。
と向こうの楽屋に戻って行ったこむ。
元の席に戻って、名刺を眺めていると横に座っていた舘さんが覗き込んでいた。
目黒
「おわ、びっくりした。なに舘さん」
宮舘
「それ、やっぱり京扇子だったんだ」
目黒
「え？」
宮舘
「その名刺、京扇子の老舗のやつだよ」
目黒
「え、そうなんだ…」
佐久間
「蓮のそれ、お嬢からのプレゼントだったんだねー」
渡辺
「Aもそこの扇子持ってるもんな」
こむのご友人って、範囲広いよね。
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みみみ - 凄く好きなお話です！応援しています☆ (2023年5月1日 18時) (
レス) @page26 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - 移行おめでとうですコロナと気温差がすごいので体調に気をつけましょう (2023年3月27日 6時) (レス) id: fa15550fa1 (このIDを非表示/違反報告)
名前(プロフ) - 続編おめでとうございます😊いつも通知が来るたびに次はどうなるのかとワクワクしながらいつも拝見しています🥰これからも、体調には十分気をつけてお過ごし下さい🥰これからも応援しています！ (2023年3月26日 16時) (レス) @page2 id: 38a2014fa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネイピア数 | 作成日時：2023年3月26日 16時
